2016年3月29日火曜日

新天地で輝きを放っています。

Aと言うチームでは活躍できなかったのに、Bと言うチームに移籍した途端
に見違えるようなパフォーマンスで大活躍。こんな事は私達の周りに頻繁
にあります。その選手に適した作戦を採用したチームだった。相性の良い
選手がそのチームのメンバーだった。など様々な要因が重なってその様な
状況が発生します。
ワインの世界にも同じ様な事が生じます。フランスのボルドー地方が故郷
の2種類のブドウがあります。その2種類はかつては主要な品種として栽培
され、ワイン造りに使用されていました。しかし今では少ない栽培面積しか
持たない補助品種としてCabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンや
Merlot/メルロなどの主要品種の陰に隠れてしまっています。その2品種は
Carmenere/カルムネーレとMalbec/マルベックで、ボルドーワイン好きでも
もしかすると知らない方がいるかもしれません。




この2品種は南アメリカ大陸に持ち込まれ、自分にとってのパラダイス
の地をそこに見つけ出しました。元々はボルドーの品種ではあります
が、カルムネーレはチリで最もチリらしい赤ワインを造るブドウとして、
マルベックはアルゼンチンで最もアルゼンチンらしい赤ワインを造る
ブドウとして広く、認められ、そのワインは高く評価されています。



どちらの品種から出来る赤ワインも紫色の花の華やかなアロマ、
紫色や濃い赤い色をした果実のアロマがあり、酸味はそれほど
強くはなく、タップリのフルーティーさの中に丸く溶け込んだ渋味
(タンニン)を感じ、総じて柔和な口当たりをしている事が多い様
です。
華やかな香りが明確な為、料理との接点は狭まりますが、角々
しさのない酒質はワインだけをシットリと味わう事も出来ますし、
味醂で照りや甘味を添えた料理、とんかつソースや中濃ソース
で食す料理とは優れた相性の良さを見せてくれます。




チリ・カベなる表現がある様にチリの赤ワインと言えばカベルネ・
ソーヴィニョンばかりがこの日本ではもてはやされていますが、
カルムネーレ(チリではカルメネーレ)の赤ワインは家庭で食す事
の多い料理との接点が多くありますし、もっと多く飲まれても良い
ワインだと思っています。
また、食事とは別に赤ワインを飲むことが比較的多い日本では
丸く、優美で華やかな香味を持つマルベックの赤ワインはそこに
何も足す事が必要のない完結した酒質をしていますので、その
シーンで味わうのに最適なワインになり得るでしょう。




*Terrapura 2014 Carmenere/テラプラ2014カルメネーレ
飲み頃温度:19度。
<まろやかなミディアム~フルボディー>
1,300円(消費税別)

*Elsa Bianchi 15 Malbec/エルザ・ビアンキ2015マルベック
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
1,500円(消費税別)

カベルネ・ソーヴィニョンでもない、Pinot Noir/ピノ・ノワでもない
選ばれる為に残っているカルメネーレとマルベックの赤ワインを
是非、味わってみて下さい。赤ワインの新たな世界を覗き見る
事が出来るでしょう。