2016年3月24日木曜日

この深みはピノ・ノワならではです。

ワイン販売をしている立場として好き嫌いでワインを語る事はありません。
しかしながら、常に非常に気になるワインがあります。それはPinot Noir/
ピノ・ノワと言うブドウから造られたロゼワインです。




ワインを造る為のブドウは大きく分けて2つになります。それは果皮の色
が上の画像中のChardonnay/シャルドネの様に緑色がかった黄色をした
白ブドウとPinot/ピノ種の様に黒味を帯びた紫色の黒ブドウです。
以前にも何度か触れていますが、その白ブドウと黒ブドウを使い分けて
白ワイン、ロゼワイン、赤ワインを造っています。結論を先に言いますと
ロゼワインと赤ワインの色は元々はブドウの果皮の色素で、果皮の色
をどの程度、果汁にに移し、発酵させるかで白にもロゼにも赤にもなる
のです。






上の画像はブドウを破砕し、果汁と果皮が接している時間、それにより
色に違いが出る事を表しています。ワインの色は果皮の色素ですので
白ブドウからは白ワインしか出来ません。それが一番上の流れです。
巨峰を食べた事のない人はいないでしょう。巨峰を食べる時、皮をむき
実が現れると実の色は白っぽいですし、むいた時に自然に垂れた果汁
も白っぽいはずです。
その時、指を見ると果皮の色素が移り、紫色になっている部分がある
事に気づきます。指に着いたその色がワインの色なのです。つまり、黒
ブドウは果皮の色素を果汁に移さなければ白ワインを造る事が出来、
果汁に色素を移す時間を少なくすればロゼに、長くすれば赤になるの
です。
同じ種類の黒ブドウからロゼワイン、赤ワインを造るのなら、色の淡い
ロゼよりも色の濃いロゼの方が長く浸漬してあり、より多くの色素が
ワインに移っていますので、色の濃いロゼワインの方が渋味が強く、
赤ワインにより近い酒質になります。
赤ワインで考えると、より長く浸漬し、色素をワインに移せば色の濃い
渋味のシッカリあるフルボディーになり、浸漬時間が短い程、渋味が
少なく、ボディーの軽い酒質になります。
それではなぜピノ・ノワから造られるロゼワインに注目なのかと言えば
それは赤ワインを造っても洗練された軽やかさがあり、優美な酒質に
なるのですが、ロゼワインになるとそれに更に磨きをかけた上品さ、
バランスの良さを備えたワインになる事が多いからなのです。
目を閉じて味わえば、果実味、渋味が瑞々しさにしなやかに溶け込み
それらが味わい深く、シットリと口中を満たします。ライトボディーの赤
時にミディアムボディーの赤を思わせる程の深みを感じます。
ワインと料理の組み合わせを考えた時、家庭の食卓に上る料理は
渋味がシッカリと備わった赤ワインに調和する事は少ないはずです。
毎日毎日、脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理があなたの
食卓に上ってはいないでしょう。
日本ならではの調味料、醤油と味噌、特に赤味噌はその成分から
赤ワインとの調和に優れています。しかし、脂肪分の多い食材を
調理する事の少ない家庭では調和の範囲が赤ワインに通じる要素
のあるロゼワインにまで広がります。ここにピノ・ノワから造られた
深みのある味わいのロゼワインの活躍する場が誕生するのです。
ロゼワインは中途半端。ロゼワインは飲むに値しない。是非、そんな
事を言わずに、醤油、赤味噌で調理したコッテリ過ぎない家庭料理
とピノ・ノワのロゼワインを合わせ、楽しんでみて下さい。
ロゼワインって良いものなんだな。きっとそう感じて頂けるはずです。
ワイン専門店が注目し、選びに選び抜いたピノ・ノワのロゼワインを
超お勧め商品として紹介致します。



そのロゼワインはCusumano/クズマーノと言うワイナリーがイタリア
のシチリア島で造りました。オレンジ色を帯びた色調をしています。
ロゼワインはこの様な外観をしている方が赤みを帯びた色調のロゼ
よりも香味に深みがあり、より赤ワインをイメージさせます。
*Ramusa 2014 Sicilia Pino Nero/ラムーザ2014シチリア、ピノ・ネロ
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。そこに酸味が
           効いていたならベターです。
           チーズなら・・・パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある、やや辛口>
2,500円(消費税別)