2016年3月18日金曜日

世界のトップに君臨する時はもうすぐそこ

イギリスで凄いスパークリングワインが造られているらしいと聞きつけ、
実際に確かめに行ったのは2007年の事でした。ワイン醸造用のブドウ
を栽培するには寒すぎる、雨が多すぎる。だから、ワインの大消費国
ではあるけれど、生産国としては多くを期待できない。そう断言されて
いた時です。
しかし、可能性を求めて挑戦しているパイオニアは既にその地に腰を
据え、十分な結果を出していました。イギリスでのワイン造りに明るい
未来が約束されている訳があります。それはフランスのブルゴーニュ
地方北部のChablis/シャブリ地区やChampagne/シャンパーニュ地方
と同じ神に与えられた白亜質の大地を持っているからです。


上の画像がその白亜質の大地です。ロンドンより南部からドーヴァー
海峡にかけて広く分布しています。ワイン造りの為のブドウ栽培には
この性質を持つ土壌が最適な一つと言われています。


中でもその土壌の恩恵を最も受けるブドウはChardonnay/シャルドネと
Pinot Noit/ピノ・ノワです。この2品種は良質のスパークリングワインを
造る上で欠かせないブドウで、シャンパーニュもそれらから造られます
し、イギリスの多くのスパークリングワインも同様です。
イギリスのブドウ栽培、ワイン造りにとって追い風になっているのは、
地球の温暖化です。それに伴い、曇天が減り、北部にある国ですので
元々、強い日差しに加え、日射量が豊かになって来ている事です。
ブドウ栽培の適地が確実に極の方へとシフトして来ているのです。事実
平均気温が上昇して来ているシャンパーニュ地方の造り手は、今後、
その地で良質のシャンパーニュ(スパークリングワイン)を造り続ける事
が出来ないのではと不安視し、代替地(もちろんシャンパーニュ地方で
なければ、いくらスパークリングワインを造ってもシャンパーニュとは
呼べないのですが)を探し求めています。
イギリスのスパークリングワインの産地を訪問していた時、誰もが知る
超有名なシャンパーニュの造り手のヴィンヤード・マネジャー(ブドウ畑
管理の責任者)が畑探しのアドヴァイスを求め、造り手を訪問していた
事実を2回目撃しました。


今はロンドン以南がワイン用ブドウ栽培の主産地ですが、2080年には
驚きの状況になってしまう様です。畑は北方へと移動し、ロンドンより
北でシャルドネやピノ・ノワが、ロンドンより南方ではボルドーワインを
造る品種や南仏が産地の品種の適地になると。これではワインの世界
からボルドーと言う産地が消滅するかもしれないと言う推測を単なる嘘
と片づける訳に行かないでしょう。
次回から、イギリスからやって来た珠玉のスパークリングワインを紹介
します。驚愕の品質のイギリス産スパークリングワインをあなたにも。