2016年2月16日火曜日

Pinot Family(ピノはピノでも)

高貴な赤ワインを造るブドウの代表格と言えばPinot Noir/ピノ・ノワ。
フランスのブルゴーニュが代表的な産地で、性質上、栽培に加え、
醸造も容易ではなく、世界中に産地が点在してはいるものの、他の
品種、Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンやMerlot/メルロ
と比べると極めて限定的です。
ピノ・ノワは突然変異しやすい品種で、果皮が黄色のPinot Blanc
(Pinot Bianco)/ピノ・ブラン(ピノ・ビアンコ)、果皮の色が薄紫色の
Pinot Gris(Pinot Grigio)/ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)が変種として
存在します。
また、その2つの品種が誕生するよりも前に変異種として現れたのが
Pinot Meunier/ピノ・ムニエで、果皮の色はピノ・ノワと大差はないの
ですが、葉の表面は綿毛があるかの様に白っぽく、粉を振りかけた
風に見える所から粉屋のブドウ(フランス語でムニエ)と命名されて
います。
このピノ・ムニエですが、品種表示のワインになる事が極めて稀で、
ブレンド品種としてワインに果実味を添える為、味わいを和らげる
為に使用されます。その代表がChampagne/シャンパーニュです。
しかし、近年、ピノ・ムニエ単一で造るシャンパーニュが登場して
来たのに合わせ、他の国からもピノ・ムニエの品種名を表示した
赤ワインが散見できる様になりました。特にドイツで。
ドイツではピノ・ムニエの事をMullerrebe/ミューラーレーベ(粉屋の
ブドウを意味)、あるいはSchwazriesling/シュヴァルツリースリング
と呼び、ヴュルテンベルク地方やフランケン地方でベリー果実の
風味が可愛らしい、口当たりのしなやかな上品な酒質の赤ワイン
を造り出しています。


こちらがドイツのタウバーフランケン(かつてはフランケン地方、今は
バーデン地方の産地)からやって来たシュヴァルツリースリング単一
の赤ワインです。


一風変わったボトルに入っていますが、このボトルはフランケン地方
とバーデン地方タウバーフランケンにのみ認められたBocksbeutel/
ボックスボイテルと呼ばれるボトルです。かつて遊牧民が移動の際
に水などを入れていた水筒が原型です。他のボトルワインと同様、
750ml入りです。



シュヴァルツリースリングから造られたエレガントでチャーミングな
香味の赤ワインにはカマンベールなどよりも優しい味わいの同種
のチーズ、例えばBaraka/バラカ(フランス語で蹄鉄の事)と一緒に
お楽しみ頂くと良いでしょう。このチーズは百貨店のチーズ売り場
には必ずある商品です。
久し振りの入荷ピノ・ムニエ(シュヴァルツリースリング)の赤ワイン
をしっとりと味わってみて下さい。渋味がガツンと来る赤ワインとは
異なる深みある味わいを楽しめます。
Kilian 12 Dittwarer Oelkuchen Schwarzriesling Trocken
キリアン12ディットヴァラー・エールクヒェン、シュヴァルツリースリング、トロッケン
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなライト~ミディアムボディー>
2,500円(消費税別)