日本ではこの秋、紅葉があまり美しくないとニュースで報道されています
が...。10月下旬から数週間滞在したイタリアでは各地で紅葉の美しさに
大いに魅了されました。
その中でも最も美しかったのがピエモンテ州の最も新しいD.O.C.G.ワイン
Dogliani/ドリアーニの産地です。オリーヴや常緑樹の緑に対し、黄色に
変化したブドウの葉、赤く色付いたブドウの葉の鮮やかなコントラストが
言葉に出来ない程の光景となって目に入って来ました。
ドリアーニは赤ワイン。Dolcetto/ドルチェットと言うブドウから造られ
ます。イタリア赤ワインで最も有名なBarolo/バローロの産地に隣接
したエリアで、バローロの産地の南側に位置しています。
上の画像の緑色のエリアがドリアーニの産地です。ドリアーニ村の
他に15程の村が産地に含まれています。
ドリアーニの産地の中心はドリアーニ村でしょう。と言う事で、産地
巡りの前日はドリアーニの中心地から少し離れた所にあるホテル
Il Giardino/イル・ジャルディーノ(上の画像)に泊まりました。
部屋は広く、非常に静かで居心地は抜群でした。1階奥には別の
方が経営しているピッツェリアがあり、頼むと部屋まで持って来て
くれ、スーパーで購入したワインを飲みつつ、TVを見ながら落ち
着いて夕食をとれます。
ドリアーニやバローロがある包括的エリアをLanghe/ランゲと言い
ます。Tanaro/タナーロ川の両岸に広がっています。現在の地形
になるまでの地殻変動やこの川の影響で右岸と左岸の土壌は
大きく異なり、同じ品種でワインを造ると右岸のワインは力強く
重厚な酒質に、左岸のワインは上品に果実味が広がる優美な
酒質になると言われています。
タナーロ川の水温に対し、空気の温度が低い午前中は丘陵や山の
麓に霧が立ち込め幻想的な景色を創り上げます。この日は前日の
低温、大雨と異なり、9時頃から太陽が現れ、急激に気温が上昇
した為、視界が不良な位の霧が発生し、青い空、真白な霧、緑色、
黄色、赤色に染まった大地を頂きから眺めると言葉にならない程の
絶景でした。
次回はこの地を代表する造り手Cellario/チェッラリオを訪ねます。