小高い丘の頂に拓かれたMontalcino/モンタルチーノ村を通り、東にある
Vino Nobile di Montepulciano/ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ
と言う赤ワインの産地内にあるOrcia/オルチャ方向へ丘を下って行くと
Brunello di Montalcino/ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのトップの造り手
のひとつCasanova di Neri/カサノヴァ・ディ・ネリがあります。
通常、ワインは特定の正規輸入元が1社か2社あり、日本に輸入されて
います。世界的に非常に高評価を得ているワインになると、生産国から
日本以外に輸出された国でストックされた商品を買い付け輸入される事
があります。正規の輸入元以外に複数の輸入元による輸入があるなら
その造り手、そのワインは高評価を得ている、また、買い手が多く、需要
と供給のバランスが良い意味で良くないと言えます。
カサノヴァ・ディ・ネリのワインも正規の輸入元の他に複数の輸入会社が
あり、その様な事が言える造り手です。実際にワインを味わってみれば
その高品質さを実感できます。
トスカーナ州にお決まりの風景で出迎えてくれたカサノヴァ・ディ・ネリの
入口です。左側にオリーヴ畑、正面の斜面に沿ってワイナリー、右側を
奥へ進むとオフィスがあります。
カサノヴァ・ディ・ネリがあるロケーションは他のワイナリーの多くがある
ロケーションとは異なり、手つかずの森に囲まれてなく、また、ブドウ畑
にも囲まれていなく、緩やかな丘陵の穀倉地帯の中に佇んでいます。
今回のワイナリー巡りで使用した3台目の車がこちら。3台目にして初めて
イタリア車でした。
その奥に見えるのがオフィス兼、恐らくオーナーの自宅です。レンガ造りの
荘厳な建物で、この風景にマッチしています。
こちらがワイナリーです。かなり大きな建物になっています。丘の斜面に
建造され、斜面の上から建物の内部にブドウが運ばれ、斜面の下へと
果汁、ワインが進んで行きます。下から上へと進む場合と異なり、果汁
やワインへ余計な負荷(重力)がかからない仕組みになっています。
今年の欧州は総じて天候に優れ、ブドウの収穫が早く進みました。滞在
した10月下旬にはどの畑もブドウはなく、葉が紅葉し、黄色や赤色へと
色づき、常緑樹の緑とのコントラストが筆舌に尽くし難いまでに綺麗で、
イタリアのワイナリーを巡るのならこの季節がベストなのではと思います。
その一方で、オリーヴの収穫が真っ盛り。オリーヴの樹の下にネットを
広げ、木を揺すったり、棒で叩いて実をネットへ落としていました。この州
はワインと共にオリーヴ・オイルで有名で、香り高く、酸味の効いたピリリ
としたシャープさが特徴の味わいをしていると言われています。
年末年始で高額なワインをお買求めになるお客様が増える時期ですので
こちらのワインを仕入れてみました。2つの小区画の自社畑のブルネッロ
を厳選し、オークの小樽で仕込んだカサノヴァ・ディ・ネリの上級キュヴェ
です。
アルコール度数が15%あり、程良く熟成が進み、深みが増した香味が
豊かなヴォリュームと共に口中を満たします。長い余韻は様々な香味の
ハーモニーを交響曲の如く広げます。ゆっくりと時間をかけ、心穏やかに
味わいたい逸品です。
*Casanova di Neri 2009 Tenuta Nouva Brunello di Montalcino
カサノヴァ・ディ・ネリ2009テヌータ・ヌオーヴァ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
相性の良い料理:脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理。
チーズなら・・・ブリー。青かびタイプ。
飲み頃温度:19度。
<まろやかなフルボディー>
10,000円(消費税別)
すき焼き(春菊なしで溶き卵をつけて食すのがベター)、ビーフシチュー
手に入るのならジビエを使った料理に合わせお楽しみ頂けます。
カサノヴァ・ディ・ネリを左側にこの道を進むとオルチャ(ヴィーノ・
ノビレ・ディ・モンテプルチアーノの生産村のひとつ)です。