2015年12月13日日曜日

小魚に根野菜、そしてアルネイス

白赤両方のワインが認められているピエモンテ州のD.O.C.Gワイン、
Roero/ロエロ。そのトップの造り手、Giovanni Almondo/ジョヴァンニ・
アルモンドを訪問し、彼らが白ワインに注ぎ込む情熱を感じました。
ここ日本では赤ワインでなければワインではない。そんな意味不明
の風潮がありますが、ワインと食の相性の良いハーモニーを考えた
時、赤ワインに合わせ楽しんだ方が良い料理を毎日毎日、食べて
いる人がいるとは思えませんし、いたとしても渋味(タンニン)が強く
重厚な味わいのフルボディーの赤ワインにマッチする料理を家庭
で作り、食す事が出来る程、キッチンの環境に恵まれ、手間をかけ
料理をする時間がある方が多いとも思えません。
私達、日本人は醤油と言う調味料がありますから、比較的赤ワイン
と楽しめる家庭料理が一般的ですが、それでも家庭の食卓で白や
ロゼワインがもっと活躍しても良いはずです。
ジョヴァンニ・アルモンドがArneis/アルネイス種で造り出す白ワイン
はアロマティック過ぎず、心地良い苦味のアクセントがあり、柑橘類
やフレッシュ・ハーブを思わせる爽やかさを備えています。
この白ワインをテイスティングしているほんの数分の時間にも、この
料理に合うのではないか、あの料理と一緒に合わせ楽しんだら最高
だろうなと思いがよぎります。
白ワインは赤ワインに劣る、そんな事は決してありません。赤ワイン
を飲まないとかっこ悪い、そんな事も決してありません。赤ワインは
健康に良いから赤ワインだけを飲む、その様なかたよりはバランス
に欠けます。
食べる料理、飲む状況に合わせ、臨機応変にワインを変え、選んで
楽しみ、味わい尽くすなら、今まで感じなかった喜びを得られるはず
です。それがワインと料理のマリアージュ。イタリアで出会った日本
の家庭料理と素晴らしいマリアージュをする白ワインを是非、あなた
の食卓で大活躍させてあげて下さい。


*Giovanni Almonde 2014 Roero Arneis
 ジョヴァンニ・アルモンド2014ロエロ、アルネイス
相性の良い料理:わずかな脂肪分を含む素材、バターやオリーヴオイル
           を使用した料理。
チーズなら・・・ゴーダ。
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
3,000円(消費税別)


ラベルのデザインは新ワイナリーの天井、屋根の形がモチーフです。


硬水を思わせる骨太なミネラリーさが、小魚のほろ苦い旨味に
マッチします。控えめなアロマが生の魚介類から生臭さを引き
立てません。


根野菜の苦味旨味、土っぽさがワインのドッシリとしたミネラリーさ
と反発しません。塩で食すのがベターですが、天つゆでもOKです。



小魚の苦味旨味との相性には既に触れましたが、骨太なミネラリー
さがあり、ブドウが育った環境がもたらすフリントな(テイスティング
の専門用語ですみません。硬水のミネラルウォーターをグラスに
注いだ時、口に含んだ時に感じる温泉を思わせる様な香りです。)
ニュアンスがかまぼこやじゃこ天の香ばしさを引き立てます。
ワインとの関係があまり近くないと思われてしまう料理でもワイン
のタイプにより、お互いがグッと近づく事も多々あるのです。