DOCGワイン、Roero/ロエロの生産エリアで最も北にあるMonta/モンタ村
の住宅地の中に静かに佇むGiovanni Almondo/ジョヴァンニ・アルモンド。
一見、ワイナリーとは気づかない外観をしていますが、中は整然と、そして
一点の汚れもないまでに保たれた衛生的な醸造所がありました。
上下の画像はブドウの果汁を搾り取る為のプレス機です。下のプレス機
は白ワイン用のブドウArneis/アルネイスの果汁を取る為の圧搾機で、
上のプレス機で赤ワイン用のNebbiolo/ネッビオーロの実を破砕します。
アルネイスの果汁は清澄するまでしばらく静かに置かれた後、果汁に負荷
をかけない様に気を使いながら別室の発酵室にあるステンレス・スティール
へ送られます。
破砕されたネッビオーロの果汁、果皮は果皮から果汁へ色素を移す為の
行程へと階下の発酵室へ下ろされます。
上の画像はアルネイスの発酵室です。畑毎、区画毎に分けて果汁を発酵
させる為、ステンレス・スティール・タンクが11本設置されています。訪問時
のテイスティングは2015年秋に収穫し、発酵が終えたばかりのワインを
それらのタンクからグラスへ注いでのテイスティングでした。
同じ品種で同じ発酵過程を経ているにも関わらず、タンク毎に香味が微妙
に、あるいは大きく異なり、非常に興味深いテイスティングでした。白桃の
アロマが顕著なワイン、ラ・フランスの瑞々しさを思わせる香りのワイン、
ミントの爽やかさを感じるワイン、カリンを思わせるワイン、ライトで上品な
酒質のワイン、硬水を思わせる骨太で力強い酒質のワイン等々。これが
ワインの世界で言う所のテロワール(土壌、地勢、気候などの違い)の
なせる業です。
上に2種類の木樽が見えます。白っぽい小さい樽はネッビオーロで造った
赤ワインと一部のアルネイスの白ワインの熟成に、薄茶色の大きな樽は
ネッビオーロの上級キュヴェ用の赤ワインの熟成にも併用します。
醸造所に隣接し、現在、建設中のオフィス兼テイスティングルームです。
そして歩いているのがこの度、大変、お世話になったStefano Almondo/
ステファノさんです。現当主の長男で、渉外を担当しています。
次回はジョヴァンニ・アルモンドの珠玉の白ワインを紹介致します。