Nebbiolo/ネッビオーロ種から造られたワインと言えば、ワインの王、王
のワインと称されるBarolo/バローロ、そして、バローロとは一線を画す
優美さが特徴のBarbaresco/バルバレスコと多くの方が答えます。
しかし、それら2つのワインに隣接し、近年、その存在感を増して来た
ワイン、Roero/ロエロを忘れてはいけません。
ロエロは川を挟んでバローロ、バルバレスコと対岸に位置し、同じ品種
から造られていても、土壌の違いから、ロエロの方がより優しく和らぎを
感じる酒質をしています。
また、原産地呼称ロエロには白ワインもあり、赤ワインしか認められて
いないバローロやバルバレスコ、白ワインしか認められていないGavi/
ガヴィやAsti/アスティなどの様にどちらか一方の色のワインしかない
原産地呼称が大部分のピエモンテ州に於いて稀有な存在です。
Dogliani/ドリアーニの産地を十分に見聞した後は、ロエロの雄Giovanni
Almondo/ジョヴァンニ・アルモンド@Monta/モンタ村へ向かいます。この
産地はタナーロ川の北側、左岸にあり川の影響による砂質の多い土壌
の為、既に記しました様に出来上がるワインは優しく和らぎを感じる酒質
になるのです。
ドリアーニからロエロには雰囲気を感じ取りたいのでバローロの産地を
通って行く事にしました。ドリアーニ村を過ぎるとバローロの原産地呼称
内最初の村Novello/ノヴェッロです。そして次の村がバローロ村、この
産地の中心となる5つの村の内のひとつです。
下の画像はバローロ村への入口。斜め赤線のある道路標識はここで
ノヴェッロ村は終わりですと言う意味です。
イタリアの大地を踏みしめるのは2度目なのですが、ワイン産地は初訪問
ですので、目にするもの全てが目新しく、道中何度も車を止め、写真撮影
です。
少し専門的になってしまいますが、バローロの産地は東側と西側で
土壌の構成が異なり、その違いが同じネッビオーロ種からワインが
造られても酒質の違いとなって現れます。
上の画像は、ノヴェッロ村やバローロ村がある西側エリアの畑です。
青っぽく見える泥灰土で砂も混じり、出来上がるワインは香りが高く、
優美で比較的早飲みの酒質になります。
東側のエリアは赤茶色ぽく見える泥灰土で砂は混じらず、出来上がる
ワインは力強く、重厚で長期熟成タイプの酒質になります。
前者の土壌はロエロの産地に類似性がありますので、酒質も似た様
感じになるのです。ロエロのワイン、東側のエリアのバローロ、西側の
エリアのバローロ、それら3つをブラインドで飲み比べて、それぞれが
どのエリアのワインなのかを推測するのは非常に面白いでしょう。
上はバローロ村の丘から東方面の景色を撮影した画像です。起伏を
上手に利用し、陽光を十分に浴びるロケーションにブドウ畑が配置
されています。この景色を眺めながら、のんびりするするチャンスが
今回はありませんでしたが、この地のワインを飲みつつ、ブランチを
するのは最高の楽しみかもしれません。
次回は、モンタ村のジョヴァンニ・アルモンドの見学記です。