2015年9月19日土曜日

群馬県の地酒

原産地と言う概念が少しずつですが日本にも根付いて来ました。原料
が作られた所、商品が作られた所を明らかにし、その出生から商品の
姿を知る事の出来る指標の様なものです。
赤ワインを造る主要なブドウの一つにCabernet Sauvignon/カベルネ・
ソーヴィニョンがあります。この品種から造られた赤ワインはフランス
のボルドーでしたら、緑色の濃いハーブを思わせる香りがある一方、
アメリカやチリでしたら、カシスを思わせる華やかな香りがあり、この
違いがそれぞれの原産地に基づいているのです。原産地が違えば
同じ品種から造られていても、性格、性質が異なるのです。
では、日本酒はどうでしょうか?いわゆる地酒と言うアルコール飲料
ですが、秋田県の地酒、新潟県の地酒、兵庫県の地酒と言った感じ
で呼んでいます。しかし、その県名は原産地呼称ではないのです。
蔵はその県内にあっても、原料米、仕込み水、そして造り手までもが
県外であったりします。
原産地呼称とはその地で原料が生まれ、それをその原産地内にて
商品へと変化させ、その地から市場に出荷して初めて、その地が
原産地として正式に認められます。
この様に考えると、現在、市場に流通している日本酒のどれ程の量
が原産地呼称を表記できるのか?恐らく、決して多くはない筈です。
原産地呼称を明確に掲げ、商品を造り上げている蔵は数える程しか
ありません。
群馬県の日本酒はどうでしょうか?造り手の多くは越後杜氏、南部
杜氏で、群馬県民ではありません。原料米は大吟醸酒など高級酒
になる程、兵庫などの酒米で造られています。幸い、群馬県は銘水
に恵まれていますので、仕込み水は間違いなく県内で取水し使用
している筈です。そして、発酵に不可欠な酵母も群馬県の試験場が
開発したものを使用している蔵が多くあります。
当店はワイン専門店ですので、商品の原産地呼称には非常に関心
があり、それも国名が原産地呼称であるより、州名や県名が原産地
呼称である商品を、それより小さな範囲の原産地呼称の方をと言う
具合に出生地が狭い程、重要視しています。


群馬県の日本酒に「風まかせ」と言う銘柄があります。群馬県の冬に
特有の空っ風に因んで名付けられた商品です。この風まかせは米も
水も酵母も造り手も全て群馬県生まれ。つまり原産地呼称:群馬県
です。地酒とは本来、この事なのです。
観光地に行って買った土産なのにその地の産物でない事はしばしば
あります。折角、買ったのにこれ程までガッカリする事はないでしょう。
当店はワインのみならず、販売するからには原産地呼称を名乗れる
日本酒にこだわります。
Made in Gunma-Pref.群馬県の本当の意味での地酒。県外の方への
土産に是非、この商品を!!
*風まかせ純米吟醸酒*
秋が深まり、冷涼な夜を迎える今の季節に最適なぬる燗OKの吟醸酒
です。


白だしで炊き合わせた大根といか



群馬県名産の大和芋で作る天ぷら

と一緒に原産地呼称:群馬県の日本酒(地酒)を冷(常温)あるいは
ぬる燗でお楽しみ下さい。720ミリリットル1,800円(消費税別)です。