「えー、白ワイン飲むの?ワインはやっぱり赤でしょう!!」こんなセリフを何度
聞いた事か。その度にワインの楽しみを自ら放棄してしまってもったいない
と思わずにいられません。
赤ワインを飲んでいる人の、いや、赤ワインしか飲まない人の内、心の底
から赤ワインの良さを感じ取っている人がどれ位いるのでしょうか?恐らく
半分もいないと思います。
赤ワインが活躍できそうもない状況に赤ワインがある。もうそれだけで良さ
が激減し、心地良く味わえない筈です。赤ワインのポリフェノールばかりが
強調され、健康飲料と化している。更には、赤ワインはファッショナブルで
グラスの足を持って、クルクルと回し、グラスに鼻を突っ込んで香りを嗅ぎ、
口に含んで音をたて、エアレーションし、味わい、うんちくを発する行為が
カッコ良いとすら思っている人もいたり...。
ワインには白もロゼもあり、赤ワインも含め、飲む時の状況に合わせ何を
飲むかを選択し、色々な楽しみ方ができる。これが他のアルコール飲料に
ないメリットです。
ですからワインがシッカリと根付いている国では赤ワインの消費比率の方
が圧倒的に多いなどと言う事は絶対にありません。白もロゼも赤も、そして
スパークリングワインも平等に楽しまれています。
何故、日本では赤ワインでなければワインではないなどと言う状況が当然
の様になってしまったのでしょうか?先ず、売る側に問題があります。成熟
した販売者ではない人が赤ワイン以外の良さを知らしめる事ができない。
そして、ポリフェノールの効用を強調し過ぎた情報操作に踊らされてしまい、
赤のみがワインだと誤解、思い込んでしまっている消費者がいる。この2つ
が主たる原因でしょう。
当店のお客様にも赤ワイン信者が多数いますが、話を聞いてみますとほぼ
共通して返って来る答えは、白ワインやロゼワインを飲んで良いなと感じた
事がないと。
それはそうです。売る側で既に高品質の白やロゼを真摯に選び、販売する
精神が欠けているのですから。良いものを知らなければ、それに惚れ込む
事などあり得ないですし、良いと感じないものであれば、もういいよ!!となり
ます。
本当は白ワインも、ロゼワインも、スパークリングワインも、赤ワイン同様、
楽しんでみたいのにと思っているあなた。白やロゼを飲む事は決して邪道
ではありません。ワインの本当の楽しみ方は、状況にあわせ、白、ロゼ、赤
を選び分け、それぞれを相応しくです。
日本の食卓では赤ワインよりも白ワインやロゼワインの方が比較的、活躍
できると考えていますので、店で販売する白ワインやロゼワインの選定を
非常に厳しくし、一度でも飲んで頂けたなら、白やロゼも良いねと改心して
もらえる様、心がけています。
欧米では気温の上昇と共にロゼワインの消費が急増します。サマーワイン
と称し、様々なシーンで飲まれます。今回から数回に渡って、ロゼワインが
飲みたくなるブログをアップします。これを機に是非、ロゼワインの良さも
実感してみて下さい。