2015年5月7日木曜日

Weingut Muller Grossmann/ヴァイングート・ミュラー・グロースマン

ヴァイングート・ミュラー・グロースマンは1945年にOtto/オットーさんが創業
しました。オットーさんは娘のHelma/ヘルマさんへ造りの極意を伝授し、更に
ヘルマさんの娘のMarlies/マルリーさんが伝統を継承、ブドウ栽培からワイン
醸造、そして販売までを一貫して行っています。
母と娘の親子で携わるワイナリーはこぢんまりとしていて、家庭的な雰囲気が
漂う居心地の良い場所でした。自宅から少し離れた所に醸造所があり、大樽
と小樽、ステンレスタンクを使い分け、10種類強のワインを造っています。


上の画像はドイツ、オーストリア、フランスのアルザスなどドイツ語圏で伝統的に
使われている大樽です。何十年も修繕しつつ使い続けますので、樽の内側には
ブドウ由来の成分、酒石酸が変化し、固形物になった酒石がビッシリと付着し、
ワインは木樽と接触しません。木樽からの成分をワインへ付けたくない時に使用
するのが大樽です。


こちらはステンレスタンクです。気密性が高く、発酵の温度管理が管理できます。
果実味を豊かに備え、フレッシュで清々しい味わいのワインを造りたい時に主に
使用します。


こちらは近年、使い始めた小樽です。ワインの香味のヴァリエーションを出す為、
今まで使わなかったワインへのテスト使用もしています。小樽を使うとワインの
香りが複雑になり、味わいが芳醇になります。どんなワインにも無制限に使用
できる訳ではないのですが、限られたブドウ品種から多様なワインを誕生させる
のには有益です。


エルマさんとマルリーさんです。最近では女性醸造家は珍しくなくなりましたが、
母娘2代でワイン造りに携わっているワイナリーは非常に珍しいと思います。
次回はヴァイングート・ミュラー・グロースマンのワインを紹介します。