オーストリアの大地に初めて立ったのは1988年の2月。その時はワイン業界
に入る前でしたから、目的はもっぱら観光地巡りでした。食事の時にワインも
飲んでみたりしたものの、かっこつけているだけの不純な動機でした。それから
27年が過ぎ、オーストリアの大地を再び踏みしめる事になりました。
時が変われば、目的も大きく変わるもの。今回の目的はオーストリアのワイン
の真実を自分の五感でチェックする事でした。そのスタートになったのは首都
ウィーンの西方、美しいドナウ河のほとりにあるKremstal/クレムスタールと言う
ワイン産地の小さな街Palt/パルトで母娘の親子2代で切り盛りしているWeingut
Muller Grossmann/ヴァイングート・ミュラー・グロースマンです。
クレムスタールはKrems/クレムスと言う街を中心に広がる産地で、クレムスの谷
と言う意味です。ドナウ河の北と南にブドウ畑があり、北側は400mほどの標高
があるやや険しい斜面に、河の南側は緩やかな斜面や平地に開拓されあります。
ヴァイングート・ミュラー・グロースマンがあるパルトは河の南側でクレムスの街に
最も近い所にある街です。
上の画像は河の北側にあるブドウ畑です。写真を撮った場所がほぼ頂上付近
でしたので険しく感じませんがここまでは細く急な坂を車で暫く上って来ました。
なかなかタフな道で徒歩や自転車ならきつかったと思います。
こちらの画像は河の南側のブドウ畑で緩やかな傾斜地にあります。この畑は
ヴァイングート・ミュラー・グロースマン所有でRiesling/リースリングを新植した
ばかりの様子を見る事が出来ます。
こちらの画像もヴァイングート・ミュラー・グロースマン所有の畑ですが、幹が
太いのが判ります。ブドウはGruner Veltliner/グリュナー・ヴェルトリナーで
リースリングと共にこのクレムスタールの主要なブドウ品種です。
畑の先にあるのがパルトの街です。フランスのアルザス地方に行った事の
ある方でしたら、建物の造りや街並み、雰囲気がそこと非常に似ていると
感じる街です。この街にヴァイングート・ミュラー・グロースマンがあります。
次回からワインを紹介します。