2015年5月8日金曜日

母ヘルマさんと娘マルリーさんの共作ワイン

Weingut Muller Grossmann/ヴァイングート・ミュラー・グロースマンを訪問
した日のスケジュールは非常にタイトでしたので、ワイン・テイスティング
はテーマを設けて行いました。そのテーマはGruner Veltliner/グリュナー
・ヴェルトリナーとRiesling/リースリングをきき分ける。
ほぼ同じようなロケーションから誕生するその2つのブドウからのワイン
には似ている要素が多くあり、時に混乱をきたす事があります。両ワイン
を何度も比較し、それぞれのヴァリエーションを五感にイン・プットしたい
と思っていましたので、醸造家でもあるMarlies/マルリーさんのコーチで
10種類のワインを慎重にテイスティングしました。


グリュナー・ヴェルトリナーの白ワインとリースリングの白ワインはやはり非常
に似ています。畑違い、収穫年違いなどの組み合わせで比較してみた結果、
ある一つの結論に達しました。それはグリュナー・ヴェルトリナーの方がリッチ
で、リースリングの方が繊細。グリュナー・ヴェルトリナーの方がスパイシーで
ホットな辛さがあり、リースリングの方がジューシーでほのかな甘味が広がる
辛口。こんな感じの相違があります。
上の画像がテイスティングしたワイン達です。印象的だったのは両側のワイン
です。左のワインはヴァイングート・ミュラー・グロースマンの一番お手頃価格
の商品でお母さんの名前Helmaの頭文字HとMarliesの頭文字Mから名付けた
HMでグリュナー・ヴェルトリナーから造られています。軽快で、一点の曇りも
ない清涼感が心地の良いワインです。この品種のワインとしてはとてもライト
なスタイルです。
右のワインはアメリカのお客様のリクエストで発売する事になった長期熟成
白ワインで原料となったブドウはリースリング、収穫年は2003年です。画像
では2002年になっていますが、現在、ラベルを作成中との事で出荷の際は
勿論、2003年の表示になります。
熟成によって身に着けた蜂蜜の様な妖艶な華やかさがあり、甘味と酸味の
織りなすハーモニーに筆舌に尽くし難い素晴らしさがありました。バランス感
抜群の逸品です。この様な熟成感あるリースリングを味わうとこの品種から
出来上がった白ワインがとても長命な事を再認識します。
それでは日本に輸入されている2種類の白ワインを紹介します。


先ずはグリュナー・ヴェルトリナーの白ワインです。黄桃を思わせる華やかで
リッチな香りがあり、アルコールのふくらみのある豊かな厚みが口中を満たし
ます。凝縮感がシッカリしているので、一瞬、甘いワインと勘違いしそうですが
湧き上がる酸味とミネラルの力強いハーモニーがその甘いニュアンスを包み
控えめにします。
Grosser Satz 2014 Gruner Veltliner
グローサー・サッツ2014グリュナー・ヴェルトリナー
相性の良い料理:素材の持つ優しい甘味を生かした軽やかな味わいの料理。
チーズなら・・・モッツァレッラ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
2,000円(消費税別)


こちらはリースリングの白ワインです。ミンティーな爽やかさが印象的です。
柑橘果実を思わせる爽やかさ、清々しさがあり、酸味、ミネラル、白い果肉
の果実のジューシーさがマリアージュし、口中に広がり残ります。この品種
の特性である華やかなハニーさ、美しさを感じられるワインです。
Steiner Point 2012 Riesling
シュタイナー・ポイント2012リースリング
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う淡白な
           味わいの料理・
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな、やや辛口>
2,700円(消費税別)


マルリーさんとヴァイングート・ミュラー・グロースマン号です。