自然界に存在していた樹木から造られた物がワイナリー内部には色々
あります。樹木に取り付いていた無用の菌がワイナリー内部でワインへ
悪戯をした結果、ワインに思わしくない香味が付着してしまう事が近年、
多発しています。これを回避する為には樹木から何かを作成する際に
その樹木自体をクリーンにしておかなくてはなりません。同時に建物の
内部も清潔にし、無用の菌の発生を防がなくてはなりません。
こちらはその対策の一環で空気清浄機と紫外線放射機です。雑菌が繁殖
しない様に建物内部の空気をクリーンに保つ事。雑菌が付着し繁殖し易い
木樽に紫外線を照射し、菌の発生を防ぐ事に神経を注いでいます。
上の画像の木樽の後ろの壁が青っぽく見えます。紫外線照射の様子が
判ります。また、木樽を使い続ける事でも雑菌が付着し易くなりますので
可能な限り新しい木樽を使って熟成を行っています。これも国営銀行の
バック・アップがなせる業でしょうか。
上の画像はMerlot/メルロと言うフランスのボルドー系品種の赤ワインを
熟成している木樽の様子です。下の画像はCabernet Franc/カベルネ・
フランと言うやはりボルドー系品種の赤ワインが入っている木樽の様子
です。
木樽に赤ワインが入っている様子の画像ですが、上の画像と下の画像
ではその位置付けが異なり、上は醸造が終了したワインを熟成させて
香味の複雑化と落ち着きを持たせている所で、下の画像はワインの酸
の質を変化させて酒質を安定化させている所です。
酸の質を変化させる工程はマロラクティック発酵と言い、シャープな酸で
あるリンゴ酸が乳酸菌の働きでまろやかで旨味のある酸の乳酸に変化
します。赤ワインや一部の白ワインが酸味が強く、酸っぱいと感じない
のは、このマロラクティック発酵をさせているからなのです。
醸造所には出番を待つ新樽が大量にスタンバイしています。これ程の新樽
が一堂にあるシーンを見るのも珍しい事です。豊富な運営資金がなせる事
です。
次回はこの様な洗練されたワイナリーが造り出す気品のあるワイン達を紹介
致します。日本へは白が2種類、赤が1種類輸入されています。