2015年5月23日土曜日

Mysterium、それは説明し難い神秘の世界

複数のものが融合すると予想外の結果になる事があります。これとこれが
合わさるのだから、こうなる筈。1+1=2の様に。しかし、現実はそう単純
には行きません。1+1=3にだってなるのです。
ワインには大きく分けて2つのタイプがあります。1つのブドウから造る単一
品種のワイン、そして複数のブドウの個性を上手く調和させて造るブレンド
ワインです。
前者のワインは原料となったブドウ品種の個性を明確に備えていますので
ブラインド・テイスティングをして品種などを探る時の対象ワインになります。
日本ソムリエ教会の認定試験、また各種コンクールのテイスティングに使用
されるのは主にこの単一品種のワインです。
マリアージュと言う言葉がある様に、いくつかのものが上手く組み合わさる
と机上の計算、想像を遥かに超えた素晴らしい結果が生まれる事がある
のは既に述べた通りです。
Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンとMerlot/メルロのブレンドの
赤ワイン、Sauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランとChenin Blanc/シュナン
・ブランのブレンドの白ワイン、またSauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブラン
とSemillon/セミヨンのブレンドの白ワインなどでしたら、テイスティング経験
豊富な人ならどんな香味なのかイメージが湧きます。ワイン大国で伝統的
に行われている組み合わせだからです。
しかし、Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンとPinot Noir/ピノ・
ノワのブレンドの赤ワインやChardonnay/シャルドネとSauvignon Blanc/
ソーヴィニョン・ブランのブレンドの白ワインだったらどうでしょうか?馴染み
の少ない組み合わせですから、それが超メジャー品種の融合であっても
イメージし難い部分があります。
カベルネ・ソーヴィニョンとソーヴィニョン・ブランはフランスのボルドー地方
を主産地とした品種、ピノ・ノワとシャルドネはフランスのブルゴーニュ地方
を主産地とした品種です。フランスでは産地を越えた品種同士のブレンド
はほとんどなく、世界中のワイン産地がその様な流れを踏襲してワインを
造っています。その為、地方の融合の様なブレンドをしたワインをチェック
する機会が極めて少ないからなのです。


世界は当たり前ですが広いです。フランスから派生した伝統にこだわらずに
ワイン造りをする国が沢山あります。自国のオリジナル品種を大切にする国、
1+1=3を求めてオリジナルのブレンドワインを造る国、ワイン用国際主要
品種に自国のオリジナル品種をマリアージュさせる国などなど。
昨年訪れたルーマニアにも、今年訪れたオーストリアやハンガリーにも独自
のブレンドをした個性豊かなオリジナルワインがありました。幾重にも広がる
香りの波、多面的に広がる味わいの波が何度も何度も飲み手の五感に打ち
寄せて来る様なワインです。
今回はその様なワインの中から「理屈通りには行かないブレンドの楽しさを
表現し、ブドウの神秘や不思議な力を最大限に楽しめる」をコンセプトとして
誕生したルーマニア産白ワイン、Mysterium/ミステリウムを紹介します。


ルーマニアやその周辺数か国のオリジナル品種Feteasca Regala/フェテアスカ
・レガラ、マスカット系ブドウのMuscat Ottonal/ミュスカ・オトネル、そして国際的
に超メジャー品種のSauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランの3品種のブレンド
でそれぞれの良さを引き出したワインです。
これら3品種のブレンドがどうなるのか?想像さえつかない神秘の世界がボトル
の中に広がっています。その世界を覗けるのはコルクを抜いたあなただけです。
ミステリウム、その真実を是非、あなたの五感でチェックしてみて下さい。


Mysterium 13 Tarnave Feteasca Regala Muscat Ottonel Sauvignon Blanc
ミステリウム13トゥルナヴェ、フェテアスカ・レガラ&ミュスカ・オトネル&ソーヴィニョン・ブラン
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う淡白な
           味わいの料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
2,500円(消費税別)