前回のブログで紹介したルーマニア産ロゼ・スパークリングワインには最初の
出会いで完璧に魅了されました。色合いの美しさも然る事ながら、香り味わい
の優美さと力強さの融合したハーモニーは筆舌に尽くし難いものがありました。
リクエストに応え、シッカリ約束を果たし輸入してくれた輸入元に感謝をしつつ、
当店では国内在庫がある限り継続販売をします。一度とは言わず、何度でも
味わって頂きたいと思います。
スパークリングワインには複数の造り方があります。前回に引き続き紹介して
いますこのロゼ・スパークリングワインは発泡していないワインを瓶に詰めた
後、そこに炭酸ガスを捕捉する為の発酵を促す糖分と酵母を加えます。瓶に
栓をして静置し、瓶内での長期発酵と熟成を行ってスパークリングワインへと
変化させます。この製法を伝統的製法、瓶内2次発酵製法と言います。この
造り方をすると、炭酸ガスが液体にシッカリと溶け込んでいて、ガス圧が強く、
泡立ちが活発で、刺激的なアタックのスパークリングワインになります。
上の画像が糖分と酵母を加えた後に瓶内2次発酵→長期瓶内熟成をしている
最中の様子です。
炭酸ガスを捕捉する為の発酵が終了すると、役目を終えた酵母が底にオリと
なって沈殿します。それが上の画像です。この後、その沈殿物を取り除かずに
ワインと接触させつつ、瓶内熟成を進めます。この間に炭酸ガスが液体に十分
に溶け込み、同時に沈殿物との接触でワインへ旨味、深みがもたらされます。
最終的にはその沈殿物を取り除き、清澄した状態にするのですが、そこに至る
までの作業が瓶内2次発酵製法(伝統的製法)の大切な工程です。Pupitre/
ピュピトルと言う作業台に瓶をセットし、定期的に瓶を回転させ、また、少しずつ
倒立させて行きます。そうする事で、沈殿物が一カ所に集まり固まります。
上の画像が瓶口に沈殿物が集まり、凝固した状態の様子です。この状態に至る
までに既に1年近く、またはそれ以上が経過しています。
いよいよ瓶内から凝固したオリを取り除く作業です、オリが凝固した瓶口を下
にしたまま、マイナス20℃の塩化カルシウム水溶液に漬け、凝固物を凍結
させ、オリが舞って濁りが出ない状態にし、密栓に使っていた王冠と一緒に
素早く取り除きます。正確には上の画像の鉄製の容器の中で王冠を開けて
弾き飛ばすと言う表現が正しい作業を行います。
王冠に固定したオリ(凍結した)が王冠と共に、そしていくらかのワインと共に
瓶内から飛び出した後の状態が上の画像です。瓶内には沈殿物が全くなく、
ワインは澄んでいます。
ワインも一緒に飛び出していますので、目減りし、液面が低くなっているのが
判ります。この目減り分を注ぎ足し、内容量を750mlにし、コルク栓をします。
コルク栓が飛び出さない様にワイヤーで固定します。
その後、少しの間、注ぎ足したワインと元々瓶内にあったワインを馴染ませて
から、キャップ・シールを付け、ラベルを貼れば出荷準備完了です。
1,000円位のスパークリングワインもあれば、3,000円、それ以上の価格
のスパークリングワインもあるのは、色々な製法があり、特に瓶内2次発酵で
造るスパークリングワインの手間が安価でない要因を生んでいるのです。
この様な手間をかけて造り上げられた魅惑のロゼ・スパークリングワインが
Romantine Roze/ロマンティン・ロゼなのです。日本市場初登場の逸品を是非
味わってみて下さい。消費税別3,000円です。