2015年5月9日土曜日

ハンガリーのワインの歴史を支えた最古の修道院

今日から再びハンガリーを巡ります。

ハンガリーの首都Budapest/ブダペシュトの西、およそ50㎞の所に
Pannonhalma/パンノンハルマと言うとても小さな街があります。この
街にはハンガリー最古の修道院があり、風光明媚な景色が印象的
な地です。
小高い丘の上にその修道院があり、小さな街全体を見下ろす様に
そびえています。訪問した日は非常に良い天気でしたので、青い空
を背景に佇むその光景が印象的でした。最古にしてはその雰囲気
がないなと感じるかもしれませんが、この修道院は1996年に世界
遺産に登録されるのを機に外壁などの修繕を行った為、古さを感じ
ない外観なのです。


この修道院はワイン造りの礎を築いたベネディクト会の修道士によって
始められ、ハンガリー最古であると同時にこの国で唯一のベネディクト会
の修道院なのだそうです。
ベネディクト会のおかげで私達が今、こうしてワインを楽しめると言っても
過言でないなのですが、ハンガリーのワインも彼らの絶え間ない努力の
結果、今に引き継がれています。
ここに修道院が設立されて以来、修道士によってブドウ栽培、ワイン造り
が行われて来ました。しかし、ハンガリーの激動の歴史がそれを許さない
時があったのです。社会主義政権だった時、畑と醸造所は国に接収され
ワイン造りは中断してしまいました。ようやく再開にこぎつけたのはつい
最近の2004年です。その為、ワイナリーや醸造設備には最先端技術が
散りばめられ、こちらも古さを感じさせません。


修道院が立つ282mの丘からパンノンハルマの街を見下ろしています。
オレンジ色がかった色の屋根の大きな建物があります。ここには修道院
の歴史、ワイン造りの歴史を学べる博物館があり、今の施設からは想像
できない一面を知る事ができます。
次回はその博物館訪問記をアップします。