2015年4月30日木曜日

Weingut Wieninger/ヴァイングート・ヴィーニンガー第2章

ヴァイングート・ヴィーニンガーの敷地に足を踏み入れて驚いた事は、その空間
に威厳が満ち溢れている事です。古き時代と今が融合し、言葉では表現し難い
落ち着きがあります。


十字架の下の門を開けると醸造場の内部はこの様に清潔感に満ち溢れています。
酵母(微生物)を扱う繊細な場所ですから、不要の菌が入り込まない様に可能な
限り清潔にする事が必要です。驚いてしまいますが、この当たり前の事が出来て
いない造り手が多いのです。その様な造り手のワインにはある特定の香りが必ず
あります。あっても良い香りではないので、避ける為、この様なクリーンな空間を
創る事が大切です。
この梁のある構造がレトロぽくてとても良いなと感じています。ワインはブドウ栽培
から醸造、熟成までナチュラルに行う事が主流になった今、時代にマッチしている
のではないでしょうか。


こちらは醸造室も兼ねたワイン調合、熟成貯蔵場です。最新式のステンレス
スティールタンクに加え、近年、普及しつつある卵型の発酵タンクもあり、また
クラシックな型の木樽もあります。
ブドウの状態により、発酵の方法や熟成の方法を変え、それぞれにベストな
過程を経させてあげる。それが大切だとオーナー兼醸造家のフリッツさんは
言います。


入口から見たモダンな風景の地下にこの様な光景が広がっているなどと誰が
想像できるでしょうか。総煉瓦造りの重厚、荘厳な地下セラーです。ここも綺麗
さが保たれています。地下セラー=カビが壁を覆っているとイメージしている方
が多いかもしれませんが、クリーンなワインへ菌がわるさをしない様にやはり
清潔にする方がベターです。
奥に長く伸びた地下セラーはこのワイナリーの敷地の真ん中あたりから広がり、
ワイナリー奥に隣接したヴィーニンガー家の住まいエリアにまで伸びています。
駅から歩いてワイナリーの門前まで来た時、その様な光景を目にするとは本当
に想像できませんでしたので、感激です。地上と地下のこのギャップの大きさは
滅多に出会えません。


静かに出荷の時を待つワイン達。この時の流れがワインを洗練し、「美」と形容
できる状態へと成長させます。
次回はフリッツさんと一緒のワイン・テイスティングです。現在、発売している全
ワインに加え、秘蔵の逸品もテイスティングさせて頂きました。