2015年4月18日土曜日

二人の至高のワインメーカー

世界中には多数のワイン生産国があり、そこに多くのワイン産地が内在して
います。それぞれの産地にその地を代表するワイナリーがあり、その中でも
「至高の」と形容される様なワインメーカー(醸造家)が必ずいます。
過日のオーストリア滞在では至高のと言う形容詞が相応しい二人の醸造家
に会って来ました。滞在半ばに会ったのがMoric/モリッツと言うワイナリーの
Roland Velich/ローラン・ヴェリッヒさん、そして最終日に会ったのがWieninger/
ヴィーニンガーと言うワイナリーのFritz Wieninger/フリッツ・ヴィーニンガーさん
です。
ローランさんはBlaufrankisch/ブラウフレンキッシュと言うブドウから、フルーツ
のピュアさが美しく、力強さの中に上品さが潜む赤ワインを造り出す名手です。
またフリッツさんはPinot Noir/ピノ・ノワと言うブドウからエレガントな赤ワイン
を造り出す名手であると同時に、3種類以上のブドウからGemischter Satz/
ゲミシュター・サッツと言う白ワインを造るブレンドの魔術師でもあります。



上の画像がローランさんのワインの原産地のひとつでハンガリーとの国境に
あるLutzmannsburg/ルッツマンスブルクの畑の風景です。右側の中央辺りに
僅かに見える集落はハンガリーの街です。この付近は国境が入り組んでいて
南北に車で走行すると何度も国境を通過します。
下の画像はフリッツさんのワインの原産地のひとつです。ブドウ畑の先にある
大きな街はウィーンです。ウィーンは世界中の国々の首都の中で唯一経済的
にワインに従事していると言われています。その通り、街に接する様に、また
街中にブドウ畑やワイナリーが散在しています。



先日、店のお客様主宰のワイン会の途中でローランさんとフリッツさんのワイン
をブラインドで飲み比べる企画を実施させて頂きました。どちらのワインも品種
の典型的な個性をしっかり備え、それぞれの品種からのワインを知るには最適
な逸品でした。ワイン会の参加者の多くの方にとってあまり馴染みのないブラウ
-フレンキッシュはとても興味深いワインだった様でした。
次回からは両人をオーストリアで訪ねた時の模様を数回ずつに渡り、レポート
します。



左のワインがフリッツさん(ヴァイングート・ヴィーニンガー)のピノ・ノワ、右の
ワインがローランさん(ヴァイングート・モリッツ)のブラウフレンキッシュです。
Weingut/ヴァイングートとはブドウ畑を所有し、造るワインの原料ブドウ全て
をそのブドウ畑で栽培し、ブドウ栽培ワイン醸造を一貫して自ら行う造り手の
事で、フランスのブルゴーニュならDomaine/ドメーヌ、ボルドーならChateau/
シャトーです。