2015年1月14日水曜日
古い年代のワインを購入する時には
同じ造り手、同じヴィンテージのワインが複数あるとします。ラベルが貼られ商品
としての準備が整ったら、ワイナリーから出荷されます。古い年代のワインが市場
で流通している場合、張られているラベルの状態でそのワインがどのタイミングで
ワイナリーから離れたかが判ります。右のラベルの方が少し綺麗に見えますが、
ほぼ同じ様な感じですので、この2本は同時期にワイナリーから出荷され、ほぼ
同じ環境の下で保管されていたと推測出来ます。
上の画像の2本ならば、ラベルが経時変化により古びていますから、ワイナリーを
離れたのは最近ではない事が判ります。もし、最近、市場に出荷されたのであれば
ラベルは出荷前に貼られますので、年代を感じさせないまでに新しく綺麗です。
年代を感じさせるラベルのワインですと、今に至るまでに過ごして来た経路が重要
です。様々な人のセラーを行き交って来たのか。それともワイナリーから出荷され
輸入元の倉庫を経て、販売者のセラーに入った後はずっとそこにあったのか等々。
つまり、そのワインがどこにどのような状態であり、それらを全て追跡し、品質管理
が行き届いていたかを知る事が出来るのか。出来ないのであればそれはもう商品
と呼ぶには相応しくないでしょう。
上下の画像で確認できる2本のワインはワイナリーから出荷→輸入業者が輸入→
保税倉庫→当店のセラーと言う流通状況で、その後は約20年間、適切な温度管理
をした当店のワインセラーで動かすことなく保管されていました。
移動距離が少ない、移動回数が少ない。古いワインはそれらがワインの良い状態を
保つ為に必要な条件です。なお、右のワインのラベルの方が綺麗ですから、人間の
心理として右のワインを選びたくなりますが、この状態のラベルからはどちらの方が
よりコンディションが良いかは判断出来ません。
ではどこでそれをチェックすれば良いのでしょうか?それは中に入っているワインの
量、瓶を立てた状態の時のワインの液面の高さです。1982年のワインですので、
外観から判断すると次の様な事が言えます。
30年以上の経時がありますので、ワインの液面は肩の上部にあれば正常です。
下の画像でチェック出来ますが、左のボトルは肩の高さのトップ・ショルダーで、右
のボトルは肩から数ミリ上のネック部分に液面があります。古酒は液面が高い方が
コンディションが良い事が多いと言われていますので、この2本の内、どちらか1本
を購入するのなら、より液面の高い右のワインの方をお勧め致します。
こちらのワインの方が恐らく、果実味の残存がより多く、古酒本来の持ち味なのです
が、枯れた感覚が程良く備わっていると思われます。ワインは経時変化で少しずつ
変身し、ワインから紹興酒の様な香味に、そしてブランデーの様な外観へと進んで
行きます。
古酒を飲む人はその多くが自分に何かしら関係のある年だから、その年のブドウで
造られたワインを飲むのではないでしょうか。同じ年をこの地球上で重ねて来た訳
でそれぞれの歴史を分かち合いつつ味わえば、その香味は至高の味わいとなるに
違いありません。
ワインは時を経て香味が洗練されるに従い、不要となる成分が固形化し、オリとなり
溶出して来ます。動かしますと、それらが舞い、ワインが濁ります、1週間~10日間
2週間ならベストです。瓶を立てて冷暗所に静置し、オリを沈め、ワインを清澄させて
上澄みを味わって下さい。既に言いましたが、自分に関係のある年のワインでしたら
その香味の感動は筆舌に尽くし難いものがある筈です。
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当店のセラーにストックがない場合、古酒専門の信頼のおける輸入元から買付ける
事が出来ますので、お申し付け下さい。