昨日はBeaujolais/ボージョレなどフランスのA.O.C.(原産地統制名称)ワイン
のNouveau/ヌーヴォー(新ワイン)の発売開始日でした。新ワインと言うとここ
日本ではボージョレ・ヌーヴォーばかりがクローズアップされていますが、他の
国にも新ワインがあります。
イタリアなら10月30日発売開始のNovello/ノヴェッロ、ドイツなら11月1日
発売開始のDer Neue/デア・ノイエ、オーストリアなら11月11日発売開始の
Heurige/ホイリゲと言った具合に。
当店では今年はデア・ノイエの取扱いがありませんが、他の新ワインの販売
は行っています。ノヴェッロもホイリゲもまだ在庫があります。2014年最初の
各国の自然の恵みが詰まった新ワインをこの機会にお楽しみ下さい。
ノヴェッロは既に紹介しましたので、本日はホイリゲを紹介したいと思います。
当店に届いているホイリゲは辛口の白ワイン。複数のブドウを使い、造られて
います。品種由来でもあり、原料ブドウが育まれた気候風土由来でもあるの
ですが、キリリと引き締まった酸味とミネラルのハーモニーを核とし、硬水を
思わせる苦味旨味ある重厚なコクを感じます。
先日、札幌にあります「祥瑞」と言う店で、このホイリゲと料理のマリアージュ
を探求して来ました。肉料理には赤ワインと世の中では言われていますが、
それが絶対ではないと知らしめてくれるに相応しいワインこそこのホイリゲ、
白ワインです。
上の画像はエゾシカ料理です。家畜肉よりも鉄分や血合いのニュアンスを強く
感じるジビエですので、合わせるワインは普通ならば赤です。しかし、この白
ワインが持つ骨太なミネラル感と力強い苦味旨味の広がりは赤ワインが持つ
タンニン(渋味成分)の主張にも通じる要素があり、肉の旨味に決して負けま
せん。
更にこの白ワインに料理を一層マリアージュさせている仲人の様な存在が
山わさび(ホースラディッシュ、和名:西洋ワサビ)です。ワインの原料となる
ブドウ同様、大地から吸い上げたミネラル成分を含んだ味わいが肉に合体
する事で、エゾシカ料理の味わいをこの白ワインに近づけ、違和感がない
所か、最高の組み合わせを創造しています。
この効果を期待するのなら、エゾシカでなくても、牛肉、特にローストビーフ
でもOKです。料理に合うワインを決定づけるのは食材そのものだけでなく、
付け合わせや味わいを決める調味料、むしろこちらの方が決定的な調和を
生み出す要因である場合が多いと言えます。
また、火を通すと色が白くなる動物肉も比較的白ワインに合わせ易い傾向が
あります。勿論、調理法にもよりますが。では、どの様な感じに料理を仕上げる
と赤よりも白の方が良いと感じるのでしょうか?
それは上の画像の様な感じです。火を通して肉の色を白くしたのですから、
その白い色を保つ事です。肉汁にオリーヴオイルを合わせ、塩で味わいを
整える。この様な調理をすれば、それが例え肉料理であったとしても、世間
の常識である赤ワインを合わせなくても、力強い酒質の白ワインを合わせ、
楽しめます。
珠玉の白ワインの宝庫、オーストリアからやって来た2014年新ワインの
ホイリゲを山わさび、オリーヴオイル、天然塩をつなぎ役とした肉料理と
マリアージュさせ、味わい尽くして下さい。
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Wieninger 2014 Wiener Heuriger
ヴィーニンガー2014ヴィーナー、ホイリゲー
相性の良い料理:わずかな脂肪分を含む素材、バターやオリーヴオイルを
使用した料理。
チーズなら・・・ゴーダ。
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
3,800円(消費税別)