フォアグラの料理にはワインが不可欠。フランス人なら誰もがそう言うでしょう。
フォアグラに似た食材が日本にもあります。アンコウのキモ、フグやタラの白子
です。ならば、それらを使った料理にもワインが不可欠と思う日本人もいる筈
です。自分もその内の一人ですが。そんな方の為に白子を食しながら、味わい
尽くせる白ワインをご紹介致します。
白子を使った料理なんて、簡単に作れないんじゃないの?いいえ、そんな事は
ありません。心配なのはそれではなくて、コンディションの良い白子が手に入る
か否かの方です。
状態の良い白子が手に入ったなら、ここは出し惜しみをしない方が良いでしょう。
香り華やかで純度の高いエクストラ・ヴァージン・オリーヴ・オイルでソテーし、
軽く塩で味を調えてます。バターでコクを添えても良いですが、白子そのものの
甘味旨味を味わうのも一手です。
甘味旨味の詰まった白子に合わせ、白ワインは果実味が凝縮し、リッチな甘い
ニュアンスの香りがあり、味わいにも豊かなトロミとコクのあるタイプ(辛口)が
ベターな選択です。
そんな白ワインはドイツの小さな産地、Mittelrhein/ミッテルラインのおとぎ話
に出て来る様な街並みの村、Bacharach/バハラッハで育ったGrauburgunder
(Pinot Gris)/グラウブルグンダー(ピノ・グリ)から造られました。
この品種はPinot Noir(Spatburgunder)/ピノ・ノワ(シュペートブルグンダー)と
言う果皮が紫色のブドウが突然変異し、果皮の色が淡い紫ピンク色になった
別品種ですが、果皮に色素が残留していますので、出来上がるワインは軽く
ベージュの色合いを感じ、味わいにもタンニン(渋味成分)に通じるコク、力強さ
を感じる酒質になる事がしばしばです。
また、香りや味わいが濃縮し、例え辛口に仕立ててあっても、甘味旨味を明確
に感じ、木樽で発酵や熟成をしたワインならば、カスタードを思わせる芳醇さと
オイリーさも含んだワインになります。そんな所が、ソテーした白子の甘味旨味
と合体、相乗し、マリアージュするのです。
滅多に入手出来ないでしょうが、もし、コンディションの良い白子が手に入った
ならば、このブログを思い出し、今日紹介の白ワインで至福のマリアージュを
創造してみて下さい。
白子のソテーにマリアージュする白ワインはこれ!!
Ratzenberger 2012 Bacharacher Grauburgunder Trocken
ラッツェンベルガー2012バハラッハー、グラウブルグンダー、トロッケン
相性の良い料理:わずかな脂肪分を含む素材、バターやオリーヴオイルを
使った料理。
チーズなら・・・ゴーダ。
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある、やや辛口> 3,000円(消費税別)