2014年6月30日月曜日

38年近い時を経て

月例でいくつかのワイン会を主宰したり、ゲストとして参加したりしています。
その中の一つにブルゴーニュやボルドーなどの銘醸ワインを必ず味わえる
会があります。それが昨晩あったのですが、最後に楽しんだブルゴーニュ
の赤ワインの素晴らしかった事と言ったら、筆舌に尽くし難い程でした。
ピノ・ノワの赤ワインを形容する時、最高レヴェルの香味を備えた妖艶さを
エロいと表現しています。昨夜の赤ワインの香味は今、この瞬間に楽しむ
べき時、真にパーフェクトなコンディションでした。そんなワインでしたから、
エロいと言う以外の形容詞が見つかりません。恐らく、今年、味わった中で
頂点に立つ赤ワインだったと思います。


その赤ワインはLeroy 1976 Volnay/ルロワ1976ヴォルネイです。フランス
のブルゴーニュ地方のワインで、Pinot Noir/ピノ・ノワから造られています。
ピノ・ノワの赤ワインは繊細、優美、上品さが最大の特徴で、酸味はシッカリ
あるものの、渋味(タンニン)は多くなく、長期熟成させてからよりも、果実味
が十分に残存する内に楽しまれる事がほとんどです。
しかも、昨晩のヴォルネイはブルゴーニュ赤ワインの中でも比較的ライトタッチ
で早熟なワインである事が多いので、20年以上の熟成を経てから楽しまれる
事は滅多にないと思います。そんな常識?から想像すると、38年近くの熟成
を経ている訳ですから、コルクを抜くまではいわゆる飲み頃を過ぎてしまって
いるのではないかと心配したものでした。
良い意味で予想を裏切られるとうれしいものです。上の画像では光の加減で
茶色にややくすんだ色合いを呈していますが、実際は下の画像の様に僅かに
エッジにオレンジ色を感じる色調で、清澄度は強く、輝きもあり、外観香り共に
全く欠陥はなく、果実味と熟成感ある複雑さが共存し、果実味、木樽熟成から
もたらされた成分、タンニンの優美なマリアージュに加え、例えるなら綿あめが
口中で溶け染み渡る様なしなやかさに満ちていました。全てがパーフェクト。
美しい、いや、エロいと言うしか形容出来ない、奇跡の液体だったのです。
ワインの真実はコルクを抜き、それを実際に味わった人のみが知りうる事なの
ですが、予想をこれ程まで大きなギャップで覆された事は30年近いワイン人生
の中で数回しか経験した事のないレヴェルでした。
コルクを抜いて裏切られる事、良い意味で騙される事、予想通りで平凡な事、
様々です。次はどんな表情で接してくれるのか。それが楽しみでワインを飲み
続けています。