2014年4月12日土曜日

この価格でこんなにも複雑

芽が出て、花が咲き、果実が実り、熟して、枯れ、土に戻る。植物のサイクルは
この様な過程です。これをワインに当てはめると、熟成が進む前は、ハーブの
香りがしたり、酸味を感じる熟す前の果実香があります。ある程度、熟成が進む
と甘いニュアンスを伴うフルーティーさが豊かになり、更に熟成が進むと複雑さの
象徴である、大地の自然の香り、キノコや皮革を思わせる香りが現れます。
個人差がありますので、どの段階がいわゆる飲み頃か決める事は出来ません
が、酸味が硬い主張をしている時よりも、フルーティーさが華やかな方が良いと
言う方が多いと思います。
もし、様々なワインを味わっていて、その熟成段階を実感している方なら、複雑
な香味が支配して来た頃の方が飲み頃と感じるはずです。複雑な香味を備え、
落ち着き、深みを実感できるのにはどれ程の熟成時間が必要なのでしょうか?
それが日常的に味わう1,000円代のデイリー・ワインであるとしましょう。白ワイン
ならば造られてから、早いもので2年程、遅いものでも5年ほどで果実味よりも
マッシュルームなどのキノコを思わせる複雑さがより強くなります。
ロゼワインならば、白ワインと違い、多くはありませんがポリフェノール(酸化と
言う現象に対して抵抗力のある物質)を含んでいますので酸化するスピードが
弱まり、その分、熟成の進み方が緩やかになる為、5年ほどすると土、キノコ
皮革などの熟成香が支配的になるでしょう。
では、赤ワインならばどうでしょうか。ロゼワインよりもポリフェノールを多量に
含んでいますから、デイリー・ワインであっても10年近く熟成し、ようやく熟成感
を実感できる様になるワインもあります。
しかし、デイリー・ワインです。デイリー・ワインは消費する為に購入しますから、
それを5年も、10年も取っておく人はいないでしょう。発売されたその時から既に
熟成感を備えているワインでなければ、デイリー・ワインの熟成感を楽しめない
のです。


ですが、時々、あるのです。デイリー・ワインであっても、信じ難い熟成感を備えた
逸品が。そのワインが上の画像の赤ワインです。当店での販売価格は、驚きの
1,100円(消費税別)。10年程の熟成を経た香味に匹敵する味わいをしています。
複雑さ、深みは赤身肉の料理、卵料理と引き立て合う事、間違いありません。
Pinot Noir/ピノ・ノワと言う品種から造られたワインですので、酒質は重厚過ぎ
ませんから、赤身肉の料理と言っても牛肉などの動物肉よりも、間もなく旬になる
カツオなどの魚肉の料理に合わせたい味わいをしています。
そして、何故か赤ワインに合う、卵料理。卵だけでなく、ワインの酸味に合わせ、
トマトソースで酸味を加えてあげると、この赤ワインとは最良の相棒になります。


ワインの口当たりの重さと酸味、ミネラル感を考えると、醤油で食べるよりも、塩
でたたきにし、この赤ワインに相乗させると、お互いの旨味を味わい尽くせます。


こちらは動物肉を使っていますが、ひき肉ですから、それほど味わいが強くならず、
卵、酸味の効いたソースとのハーモニーがこのワインの酸味の効いたミディアム
ボディーと均衡がとれ、マリアージュします。
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Nomad 2011 Dealurile Munteniei Pinot Noir
ノマド 2011 デアルリレ・ムンテニエイ、ピノ・ノワ <ルーマニア>
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら・・・パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアムボディー> 1,100円(消費税別)