今月下旬から真に「幻の...」と言う形容詞を付けるのに相応しい日本酒
を案内して参りましたが、いよいよ今月最後の商品の案内です。それは
清酒酵母1号で醸した純米吟醸生原酒、その名はUn/アン。フランス語
で1の事。1号酵母で造り上げた作品なのでアン。
このアンは既に紹介しましたNeuf/ヌフ/9、Quatre/キャトル/4、Deux/
ドゥー/2と類似した酒質に仕上がっています。その優美さ、上品さ、柔和
さは完璧なまでの調和を備え、余計なものが加わるとそのバランス感が
もろくも崩れ去ってしまう程。ですから、食事をしながら、このアンを飲む
のであれば、その料理には相当な配慮が必要です。
通常、日本酒と料理との関係は、日本酒のアルコールの強さ故に料理
の味わいに勝る香味の広がりを見せる為、どんな料理を食べようとも、
日本酒の香味が乱れ、違和感を感じる事がほとんどないのです。言う
なら、日本酒の力強さが口中をクリーニングし、味覚をリセット、次への
食へ備える手助けをしてくれるのです。
しかし、そうでない場合もあり、本日、紹介のアンなどは料理に対して
細かくマリアージュを求めるワイン同様、相応しい料理を合わせ味わう
事が、この種の繊細な日本酒を最大限、楽しむ術なのです。
1号酵母で醸されたアンです。私はそんな日本酒ですから、ソフトに
いたわりつつ味わってネ!!
飲み頃温度:8~10度。
<清楚な香りと軽快でなめらかな味わいのやや辛口> 1500ml
新鮮な生のホタテ貝を何もつけず、海水の自然の味わだけで食すの
ならこのアンがピッタリです。
原料、素材の旨味、甘味の生きたかまぼこを何もつけずに食すのなら
このアンがピッタリです。
そして、もっと手の込んだ料理に合わせてこのアンを味わうのなら、出汁
の旨味で淡く仕上げたアマダイの椀がお勧めです。