2013年12月5日木曜日

ヴィジュアル系ワイン

ワイン講座をさせて頂く時に、必ず聞いてみる事。それは泡が出るワイン
はどれでもシャンパンでしょうか?それともシャンパンは泡が出るワイン
の内の一つの種類で、シャンパンではない泡が出るワインもありますか?
と。
以前と最近の参加者からの答えは明らかに違って来ています。どの講座
でも数名の方はシャンパン(シャンパーニュ)がフランスのシャンパーニュ
地方の泡が出るワイン(スパークリング・ワイン)で、それ以外はシャンパン
ではないと明確に答えます。
ワインを酔う為だけの目的で飲む人でなく、楽しむ、味わう目的で飲む人
は確実に増えて来ている。そう実感します。しかし、ワインの普及はこの
日本では、未だ遥か彼方に居座ったままです。家庭の食卓にワインの
ある風景が広がらなければ、真にワインが普及したとは言えないと思い
ます。
こんな日本ですが、12月にはワインのある風景、ワインのある食卓が多く
の家庭で見られます。それが年が明けてからも継続されれば良いのです
が...。
昨日からヴァラエティーに富んだワインが続々と店にやって来ています。
ルーマニアの白、ロゼ、赤ワイン。ルーマニアのスパークリング・ワイン。
インドの赤ワイン。インドのスパークリング・ワイン。オーストラリアの赤の
スパークリング・ワイン。長野県オブセワイナリーの白、赤ワイン等々。
そんな数多くの中から、今日はスパークリング・ワインの話をしてみたいと
思います。スパークリング・ワインはワインですから、泡が出ないワインと
同じで白もロゼも赤もあります。そして、辛いものもあれば、甘いものも
あり、ヴァラエティー豊かです。
スパークリング・ワインの多様な違いは、命である炭酸ガスをどの様に
獲得するか、その造り方の違いから生まれます。アルコール発酵は糖分
を酵母の働きで、アルコールに変換し、液体にアルコールを含有させる
事なのですが、発酵の際に副産物として炭酸ガス(二酸化炭素)も発生
します。この段階では微発泡と言った感じの圧力しか感じません。
スパークリング・ワインにするには、その液体にシッカリと感じる炭酸ガス
を持たせる次の過程が欠かせません。この過程には、大きく2つあり、
その使い分けでスパークリング・ワインの酒質の違いが生まれます。
1つの製造方法は、非発泡性のワインをスパークリング・ワイン用の瓶
に詰め、そこに蔗糖と酵母を一緒に入れて、瓶の中で2回目の発酵を
させ、炭酸ガスをワインに捕捉させ、シッカリと泡立つワインに造り上げ
ます。
もう1つの方法は、非発泡性のワインをステンレス・タンクの中に入れ、
そこに蔗糖と酵母を入れ、タンクの中で2回目の発酵をさせ、炭酸ガス
を捕捉させます。
前者の方法は瓶内2次発酵、伝統的製法と呼ばれ、その代表があの
シャンパン(フランス語でシャンパーニュ)で、同じ製法から造られても
他の産地ではシャンパン(シャンパーニュ)と言えないのは既に言った
通りです。
後者の方法はタンク内発酵、シャルマー製法と呼ばれ、果実や花の
華やかな香りが豊かで、フレッシュ、チャーミングな香味をしている事
が典型的特徴です。


赤のスパークリング・ワインならグラスに注いだ直後に湧き上がる泡
も紫色でこんなにも綺麗です。スパークリング・ワインは湧き立つ泡、
立ち昇る粒、光り輝く鮮やかな色調、香味を楽しむだけでなく、見た目
にも楽しめるヴィジュアル系ワインなのです。


*瓶内2次発酵、伝統的製法のスパークリング・ワイン
 ガス圧は比較的高め、フレッシュ&フルーティーである事よりも香味
 に複雑さ、深みがあり、料理とのマリアージュを厳密に追及できる
 酒質のワインが多くあります。
*タンク内発酵、シャルマー製法のスパークリング・ワイン
 ガス圧は比較的優しく、果実や花のアロマが豊か、軽快な口当たり
 をしていて、料理とのマッチングはマリアージュよりも炭酸ガスが口
 の中をクリーニング(寿司におけるガリ的発想)し、次へのひと口に
 進める効果のあるワインが多くあります。
どんなスパークリング・ワインが良いのか細かくリクエストして下さい。
あなたにピッタリの1本をお選び致します。