群馬県の名産品は色々ありますが、冬のものと言えば、下仁田ネギ
が真っ先に思い浮かびます。このネギの特徴は太さと深みある甘味
旨味、そして、トロリとした粘性です。個人的な意見ですが、それらを
消失せず、シッカリと閉じ込めて味わい尽くすには、3~5cmほどの
長さにざく切りし、衣を薄くまとわせ、軽く揚げた天ぷらが最適かと。
野菜ではありますが、その粘性を伴う旨味は、赤ワインのタンニン
(渋味成分)との調和をももたらします。
先日、テイスティングしたインドのSula Vineyard/スラ・ヴィンヤード
が造る3品種のブレンドから生まれたSatori/サトリと言う赤ワイン
にネギの緑色の部分を噛んだ時に口中に広がる香味を感じ、その時
以来、このワインと下仁田ネギの天ぷらとの融合を五感で感じたい
と思っていました。
世間では肉料理に赤ワインと信じられていますが、この考えは必ずしも
正しい訳ではありません。肉料理でも、塩レモンやポン酢で食べるもの
なら、酸味の効いた軽い味わいの白ワインが調和しますし、クリームで
仕上げたものなら木樽熟成したコクのある白ワインが非常に良く合い
ます。
魚料理であっても、味噌や醤油で調理したサバの味噌煮、ブリの照り
焼き、うなぎの蒲焼などは白ワインと一緒に味わうよりも、赤ワインと
味わった方が心地良く感じます。
また、脂肪分のある料理、香辛料の効いた料理、にんにくの風味が
豊かな料理には白ワインよりも赤ワインの方が合わせ易く、香味野菜
の風味豊かな料理にはその香りと同じ系統の香りを持つワインが白
赤に関係なくマリアージュし易い傾向があります。
本日、紹介の赤ワイン、サトリにはハーブスパイスの香りや緑色の
色彩豊かな野菜を思わせる香りがあり、その香りが春ならば上の
画像の「こしあぶら」を使った料理にピッタリです。それも天ぷらに
し、やや辛めの天つゆで頂くのなら。
しかし、今は冬。そこで「下仁田ネギ」の天ぷらをお勧めした訳なの
です。既に書きました様に、赤ワインの渋味成分(タンニン)と食材
の粘性、脂肪分は非常に相性が良く、また醤油との相性にも優れ、
お互いが融合し、甘味旨味を創造します。但し、相乗効果をアップ
させる為、下仁田ネギの緑色の部位もシッカリ使って天ぷらにして
下さい。
Sula Vineyard Satori
スラ・ヴィンヤード、サトリ
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら・・・パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアムボディー> 1,680円
この赤ワインはMerlot/メルロ、Mablec/マルベック、Zinfandel/
ジンファンデル、これら3種類のブドウのマリアージュによって
造り上げられました。
この3種類の品種から出来上がる赤ワインは何れも酸味が穏やか
で丸みのある酒質になり、また、紫色の花や果実を思わせる香り
の華やかさも兼ね備えています。同じ性格の酒質がブレンドされて
出来上がったワインですから、そのワインも同じ系統の香味になり、
バランスの良さを自ずと備える事になるのです。
****************************************************************
もし、このワインを洋風テイストで楽しむのなら、レタスがタップリ
の照り焼きソース・ハンバーガーがお勧めです。マヨネーズ抜き
で。
そして、もっとカジュアルに行くのなら、ウスターソースやおたふく
ソースで食べる粉ものも、香りの系統に共通項がありますから、
大きな違和感なく、合わせ楽しめます。