2013年11月14日木曜日

奥深きイタリアワイン続編

イタリアワインに特化した試飲会に参加すると、未知との遭遇の連続。
昨日の試飲会でもこんなのがあるのか?と驚きを隠せないワインに
いくつか出会いました。
イタリアワインをしばしば飲んでいる人ならば恐らく飲んだ事がある
だろうし、なかったとしてもそのワインの存在は間違いなく知っている
と思うFrascati/フラスカティと言うローマ近郊で造られる白ワイン。
現地ではカフェで気軽に楽しまれているし、食事の時にならば、平麺
(フェットゥッチーネ)のバターとチーズ和え、サルティンボッカ(子牛肉
に生ハムを乗せて焼いたローマ料理)等と一緒に楽しむ、この地を
代表する白ワインですが、昨日、出会ったのは非発泡性ワインで
なく、スプマンテ(発泡性ワイン)。だから未知との遭遇なのです。
様々な書物でフラスカティにスプマンテがあるのは知っていたものの、
それを実際にこの目で見て、更には五感で感じるのは、人生で初の
体験。このワインが出展されていると気付いた時の興奮は尋常では
ありませんでした。
実際に香りを嗅ぎ、味わってみますと、白い果実よりも黄色い果実
のヒントが強く、フレッシュさに満ち、春の高原で摘んだ花を両手に
いっぱい抱え、深呼吸をして時の清々しさに溢れ、余韻にミネラル
のシャープさが広がる。こんな酒質のワインで、先程の料理の中で
なら、サルティンボッカにレモン果汁を一振りし、一緒に楽しみたい
逸品でした。
このワインはXmasや年末年始のパーティー・シーズンに備え、店で
販売するつもりです。フラスカティは珍しくないですが、極めてレア
なスプマンテですから絶対に味わう価値、∞です。塩レモン風味の
鶏の唐揚げにもヒッタリです。入荷まで今少しだけお待ち下さい。


そしてもう一品は土着品種Schioppettino/スキオッペッティーノ
から造られた赤ワイン。手持ちの品種辞典によれば、このワイン
の特徴は、「ある程度のスパイシーさを含んだ、スミレをほの
めかす魅力的な芳香をもち、色は濃く、ボディーは中位で
ある。」との事。
このヒントから、スキオッペッティーノの赤ワインをテイスティング
する前に思っていた事は、きっとCotes du Rhone Rouge/コート・
デュ・ローヌの赤ワイン、もっとハッキリ言えば、Syrah/シラーで
造ったワインに類似しているのだろうなと。
実際にテイスティングをした感想は、香りは確かにシラーを感じる
ものの、味わいにはシラーよりもCabernet Franc/カベルネ・フラン
を思わせる要素が明確で、全体的な観点からは、個人的見解で
すが、やはりカベルネ・フランに類似しているのかなと。余韻に
残る鉄分ぽさ(鉛筆の芯を舐めた時の感覚)やメントール、蚊取
線香を感じる残香がありますから。
ペッパーーよりもシナモンや八角などのオリエンタルなスパイスの
香りがあるこのスキオッペッティーノのワインには、うなぎの蒲焼
に山椒を多めに振りかけて食べる時、八角の風味のアクセント
がある鰹、マグロや豚の角煮、そしてローリエの風味が豊かな
ビーフ・シチューなどがマリアージュするでしょう。
こちらも年末年始用のチョットリッチな時の為に取扱い致します。
スプマンテと合わせ、入荷を今しばらくお待ちください。