2013年3月17日日曜日
牡蠣にはシャブリと言うけれど
気温の上昇と共にこの冬の牡蠣のシーズンは終りを告げようとして
います。「牡蠣にはChablis/シャブリ」と言われていますが、その
組み合わせで違和感を感じた事はありませんか?
牡蠣にシャブリと言っても、牡蠣をどの様に食すのか、どんなタイプ
のシャブリを飲むのかでそれらのマリアージュの程度は大きく異なり
ます。
先ず、生牡蠣を上の画像の様にレモンだけをかけて食すのなら、
ベストな相棒は木樽熟成をしていない、リンゴ酸とミネラル成分
の豊かなハーモニーのあるシャブリになります。
シャブリと言うワインはフランスのBourgogne/ブルゴーニュ地方
の北部にあるシャブリと言う村の周辺で栽培されたChardonnay/
シャルドネと言うブドウから造られ、辛口と決まっています。
しかし、造り方にはある程度の選択肢があり、
・ステンレスタンクで醸造、熟成する方法
・ステンレスタンクで醸造し、木樽で熟成する方法
・木樽で醸造、熟成する方法
と3通りの造り方があります。木樽を使用した造りのシャブリには
樽の成分が含まれ、赤ワインで言う所の渋味成分を感じ、軽快
爽快な酒質ではありません。別な言い方をすれば苦味旨味、
乳系の旨味があり、リンゴ酸を感じません。このタイプのシャブリ
に生牡蠣&レモンを合わせると、苦味の突出、生臭みの出現を
招き、牡蠣にシャブリは合わないじゃないかとなってしまう訳です。
木樽を使って造られたシャブリかそうでないかは、ラベルから判断
出来ない事がほとんどです。売り場のスタッフに確認出来るのなら
問題ないですが、出来ない場合にお勧めしたいのは、シャブリは
シャブリでも特別な土壌で栽培されたシャルドネ種から造られる
Petit Chablis/プティ・シャブリです。このワインは木樽を使用し
造られる事はほぼなく、土壌由来のミネラルに満ちたシャープ
な酒質をし、生牡蠣のミネラル成分、レモンのリンゴ酸と反発
する事なくマリアージュし、口中に生臭みをもたらしません。
「生牡蠣にシャブリ」、これは正確に表現するのなら「生牡蠣に
プティ・シャブリ」でしょう。この冬、牡蠣とシャブリの組合せで
大失敗してしまったあなた!!次期シーズンは生牡蠣&レモンに
プティ・シャブリの組合せを是非、お試し下さい。
*********************************************************
生牡蠣&レモンに合わせ楽しむのら、このプティ・シャブリ!!
Jean Collet 2010 Petit Chablis
ジャン・コレ 2010 プティ・シャブリ
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く
合う淡白な味わいの料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度以下。
<軽く、爽やかな辛口>
2,100円
木樽を使って造られたシャブリなら、こんな牡蠣料理でお楽しみ
下さい。ワインの乳系の旨味とベシャメル・ソースのミルキーさ
がマリアージュします。
また、牡蠣フライにタルタル・ソースをつけ食す時にも木樽を
使って造られたシャブリがピッタリです。
もちろん、牡蠣フライを塩&レモンで食すのなら、先程のプティ・
シャブリの方がベストな選択ですが。
そして、牡蠣フライをソースで食べるのなら、その時はシャブリ
でなく、ミディアムボディーの赤ワインの方が白ワインよりも
より良くマリアージュします。
この様に牡蠣をどの様に食すのかでマリアージュするワインは
変わります。色々な牡蠣料理でワインとの色々なマリアージュ
を是非、ご堪能下さい。