2013年1月17日木曜日

チャーミングな逸品


ここ日本では肩身が狭いんだよねと愚痴が聞こえて来そうな
ロゼワイン。どうしてそうなってしまったのか。日本が高度成長
をしている時、欧州からワインが日本にやって来るのですが、
そのワインの選択がそもそも間違いのもとでした。
白ワインはドイツの甘口、赤ワインはフランスの重厚なタイプ、
そしてロゼはどうでもいいやと言った感じの扱いでした。その
感覚が今でもしぶとく残っているのでしょう。日本のワイン市場
ではロゼワインは見向きもされず、全く販売していない小売店
や飲食店があるくらいですから。
しかし、ワインの本場、ヨーロッパでは多くの人が夏季に長期
休暇を取り、ヴァカンスに出かけます。その先々で食事と共に
楽しむのはその地特産のロゼワイン。彼らはそのロゼワイン
サマー・ワインと呼び、日々の食生活に欠かせない存在と
して身近に置いています。
ロゼワインと言っても白に近い酒質のものから、赤ワインを
思わせる渋味(タンニン)を備え、重厚な酒質のものまであり、
そのヴァラエティーの豊かさは白ワインにも赤ワインにも全く
見劣りしません。
そしてロゼワインの良さは1本で2度楽しめる所冷すと
酸味の存在感がシャープになり、渋味成分がスマートに
なる為、白ワイン感覚が強まり、逆に温度を高くしてあげれ
ば、酸味の広がりは柔和になり、渋味成分はより芳醇に
なり赤ワイン感覚が強まります。
ワインクーラーで冷し、食前から軽めの料理を白ワイン感覚
のロゼワインで味わい、メインのコクのある料理を食べる前
に予めワインクーラーからワインを出しておき、ワインの温度
を上げ、赤ワイン感覚でロゼワインを料理と一緒に味わう。
こんな楽しみ方が出来ます。これは発泡していないロゼワイン
だけでなく、ロゼのスパークリングワインででも同じです。
レストランに食事に行き、コース料理とワインを楽しもう。でも
予算に限りが...。そんな時にはロゼワインを1本注文し、その
様な味わい方をすれば、ワインは1本で足ります。こんな高度
な楽しみ方はかなりのワイン通の技です。チャンスがあったら
是非、やってみて下さい。レストランのスタッフがビビります。


ロゼワインには多様なスタイルがあるのですが、新年の晴々
とした気分の今。清々しさいっぱいのロゼワインを新年第1号
のロゼワインとして紹介致します。
そのワインはチリ産。Merlot/メルロと言う品種を使い造られて
います。メルロは赤ワインを造るぶどうでは?と思う方がある
かもしれませんが、巨峰を思い浮かべてみて下さい。皮をむく
と果肉は白っぽいですし、果汁も白っぽいですね。
実は赤ワインの色は原料ブドウの果皮の色なのです。白っぽい
果汁に果皮をどの様に漬け込むかで果汁に色素を移し、ロゼ
ワインや赤ワインを造り分けているのです。ですから、果皮を
漬け込まなければ赤やロゼを造るブドウからでも白ワインが
出来るのです。
画像のワインは果皮の漬け込みが短く、色素の移行が少ない
ロゼ。アセロラカラーが実に美しい外観を創っています。また、
香りは外観の色調同様にアセロラを思わせるフルーティーさ
に満ち、味わいはほのかな甘味とサクランボを思わせる酸味
のハーモニーが綺麗に広がる軽快でチャーミングさいっぱい
のワインです。
このタイプのワインは食前酒にはピッタリですし、太陽の下で
とるランチ、カクテルパーティーにも出活躍します。前菜と共に
ワインを楽しむシーンを想像すると真っ先に思い浮かぶのは
ポルトガルでの定番、一口サイズの干しタラのコロッケと軽快
なワインのマリアージュ。
干しタラの塩気があるのでそのままつまみ、ワインに合わせ
楽しみます。軽快なロゼワインの爽やかな酸味がサッパリと
した塩気と、軽度の渋味が衣の油分や香ばしさと心地良い
ハーモニーを奏でます。この感覚を知ったなら、ロゼワイン
はあなたにとって白ワインや赤ワインと同格、いやそれ以上
の存在になるかもしれません。


ロゼワインも立派な1種類のワインです。当店では様々な
タイプのロゼワインを多数取り揃え、あなたの食卓でバラ
が花開く様に、バラ色の美しさと華やかさで食卓を演出
するお手伝いを致します。是非、ロゼワインの素晴らしさ
を実感して下さい。
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Clasico 2010 Central Valley Merlot Rose
クラシコ2010ゼントラル・ヴァレー、メルロ・ロゼ
相性の良い料理:酸味の効いた軽い味付けの料理。
          チーズなら・・・白カビタイプ。
                  シェーヴルタイプ。
飲み頃温度:6~8度。
<軽く、爽やかな、やや辛口>
1,050円