2013年1月10日木曜日
長期熟成したワインを楽しめる初めてのチャンス
本来、備わっていても、それが不要になるとそこから離れて来たり、
はがれ落ちて来たりします。それは、例えがあまり良くないですが、
皮膚から分離する垢の様に。
それらは不要の産物として離れたり、はがれたりする訳ですから
それらを元に戻したり、混ぜたりする必要はないのです。ワインに
於いても同じ事。ある程度の期間を経ると瓶底に固形物が沈殿
します。これがオリと言うものです。
酒質が若い時に、鋭角過ぎる主張の酸味、濃厚過ぎる果実味、
角ばっていてしなやかさのないタンニン(渋味成分)、これらが経時
変化でいわゆる飲み頃と言う状態を迎えるに当たり、過度な部分
が切り離され、オリとなってワインから離脱するのです。
赤ワインならば、上の画像の様に黒っぽいペースト状のオリか、
パウダー状のオリです。白ワインならば、下の画像の様にやや黄
を帯びた白っぽいペースト状のオリで、カスタードクリームの様な
感じにも見えます。
これらのオリを口にしても何ら害はないのですが、不要となった
結果、オリとして沈殿したのですから、歳月を経て美しい状態に
向上した香味のバランスを崩してしまわない様に、一緒に口に
しない方が良いでしょう。
オリの出ているワインは少しでも移動させると、オリが舞い、清澄
していたワインが濁ってしまう事があります。ですから、この様な
ワインを楽しもうとするのなら、イヴェントの日から逆算し、最低、
数日前、出来れば1週間以上前に購入し、そのワインを楽しむ所
で静置し、オリを沈め、ワインを清澄させる必要があります。
最良のオリの沈め方は先ずラヴェルを上にし、ボトルを横向き
に寝かせたまま、数日間、静置しておきます。そうするとオリは
ラヴェルと反対側の瓶底に沈みます。次にボトルの向きを変えず
にボトルを立てます。そして更に数日間、静置します。この結果
オリはラヴェルとは反対側の瓶底に集まり、沈殿している状態と
なっています。
瓶底にくぼみが何故あるのか知っていますか?時々、耳にする
嘘八百な事。ワインを注ぐ時にそこに親指を添え、瓶底を持つ
為と。本当は、オリが舞いあがらない為の突起なのです。先程、
書きました様に、沈殿したオリはラヴェルとは反対側の瓶底に
集まっています。ラヴェルを上向きにしてワインを注げば、オリ
は必ず瓶底の突起の下にあり、舞いあがらない事になるのです。
この画像を見て下さい。ボトルが横たわっている籠はパニエと
言います。瓶が立った状態からワインをグラスに注げば、瓶は
少なくても90度傾く事になります。が、パニエに入れた状態で
ワインをグラスに注げば、瓶はほんの少しだけ傾くだけです。
瓶の中のワインの流動が少なくなり、オリの舞う可能性が低減
するのです。
もちろん、パニエでなくても、瓶をこの様に横向きに固定出来る
ものでしたらOKです。
ワインは花や果実と同じサイクルをたどります。芽が出て、花
が咲き、満開になり、枯れて落下し、土に帰ります。果実なら
結実し、肥大し、熟し、過熟し、落下し、土に帰ります。ワイン
も花の香りや果実の香りが豊かな香味から、落ち着いた香味
になり、更には枯れたと表現出来る香味になり、最後には香り
も味わいも広がりの少ない液体になります。どこで飲み頃なの
かは飲み手の好みに寄ります。
では、熟成の進んだワインの典型的な香りはどの様な感じなの
でしょうか?不思議な事ですが、原料ブドウの違いに関わらず、
同じ様な香りを呈するのです。白ワインならばマッシュルーム
やエリンギなどの白っぽいきのこ、カフェ・オ・レを感じます。
ロゼや赤ワインならばシイタケなどの黒っぽいきのこ、ビーフ
ジャーキーを感じます。そして、ワインの口当たりは口に含んだ
綿あめの様に広がり消える柔和さを備えています。
この為、十分に熟した状態のワインはその香味を削がない様、
家庭で楽しむのなら、ワイン主体で味わい、口休めには柔和な
食べ物、例えばバゲットとエクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル
位でとどめるのが良いでしょう。
熟成したワインを楽しめるチャンスが最初に訪れるのは20歳の
記念日、成人式や誕生日です。多くの自治体が今週末に式典
を開催します。仲間とたった1度しかない20歳の記念日を20歳
のワインで祝ってみませんか?
1992年の赤ワインが2,625円から
1992年の白ワインが10,500円から
1993年の赤ワインが3,150円から
1993年の白ワインが15,750円から
この様な感じで多数在庫しています。20歳の記念日に最高の
ワインで華を添えて下さい。
既に書きました様にオリのあるワインは移動した後、直ぐに
楽しめません。13日(日)や14日(祝)に飲もうと考えている
のでしたら、本日中にお買い求め頂き、静置、清澄させて
下さい。