2012年12月10日月曜日
難しいリクエストに応えます。
赤ワインが渋いのはなぜか?それは赤い色をしているから。この色
が渋味成分。だから、赤ワインの色が薄ければ渋くなく、濃ければ
渋い事になるのです。
同時に、色の濃淡は果実味の凝縮感にも関係し、赤ワインの色が
薄ければジューシーでチャーミングな果実味、色が濃ければ生果
よりも火の入った果実、コンポートやジャムの様なリッチな果実味
になり、その結果、甘いニュアンスの香りを備える事になります。
ここで問題が発生します。渋ければ渋い程、色合いは濃くなり、
果実味は凝縮するのですが、渋い赤ワインがほしいのだけれど、
フルーティーなのは嫌。甘く感じてしまうのは嫌。と言う意見。
普通に考えれば、甘いニュアンスをなくす為には、渋味の多くない
そして果実味の凝縮し過ぎていない赤ワインを選らばなくてはなり
ません。でも、お客様のリクエストの渋いと言う点に応えられなく、
お客様の満足度は下がってしまいます。
しかし、そこはお任せ下さい。その難しいリクエストにシッカリと
応える事の出来るワインを探し出してあります。それがワイン
専門店の力量です。
その赤ワインが上の画像のワイン。フランスの南、イタリアの西
の地中海に浮かぶ島、Corse/コルスの特産赤ワインでこの島の
固有品種と考えられているSciacarello/スキアカレロから造られて
います。
色合いは濃くはありません。色調はルビー色よりも、むしろ茶系
のトーンを感じるガーネット色。香りはスミレを思わせる華やかさ
はあるものの、果実味の凝縮したジャム様の甘いニュアンスは
全くありません。
味わいはジューシーな口当たりの中に、鉄分を感じる明確な
タンニン(渋味成分)の存在があり、重厚。その感覚が余韻に
長く広がり残ります。
この感覚に近く、非常に有名な赤ワインにイタリアのBarolo/
バローロやBarbaresco/バルバレスコがありますが、こちらは
これでもかと言う程の力強い重厚さに満ちていますので、人
によってはパワフル過ぎて...と思ってしまうかもしれません。
しかしながら、今日の赤ワインでしたら、スミレ様の優しさを
感じる香りもありますし、口当たりもジューシーなしなやかさ
がありますので、パワフル過ぎて...と言う懸念は回避でき、
渋くて、甘いニュアンスのない赤ワインと言うリクエストに真に
対応出来ています。
この赤ワインを楽しむ時、一緒に添えてあげるとこの赤ワイン
が一層、引き立つのは、皆様、ご存知のこれ!!マグロを加工
した一口マグロ/ツナピコ。マグロの持つ鉄分ぽさ、加工し
乾燥した所から来るドライで野趣な味わいがワインの香味と
少しもずれる事無くマリアージュします。
また、この様な硬質のチーズもこの赤ワインには最適です。
硬質チーズは長期熟成を経て出来上がるので、成分が重合
し、コリコリとした食感と深みのある旨味、そして硬水の水を
思わせるミネラル感が豊かです。
この種のチーズとこの赤ワインを一緒に楽しむと、チーズの
旨味は増長し、同時に赤ワインはしなやかに変身、スミレを
思わせる香りがリキュールの如く広がり、言葉で表現すれば
妖艶、そうこの単語がピッタリの状況が生まれます。
ワインと料理の相性の良さはどの様な状況の時に良いと
言うのでしょうか。それは多くの場合、それぞれを単独で
味わった時よりも一緒に味わった時に甘味(旨味)が増長
する時です。
今日、紹介した赤ワインに一口マグロ/ツナピコ、硬質チーズ
を合わせ、マリアージュによるその変身ぶりを是非、堪能
してみて下さい。
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La Robe d'Ange 2010 Corse
ラ・ローブ・ダンジュ 2010 コルス
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら・・・パルミジャーノ。
チェダー。
飲み頃温度:16~18度。
<まろやかなミディアム~フルボディー>
3,150円