2012年12月15日土曜日

今季第1号の新酒です。


気象条件が変化する現代、日本の四季がなくなりつつあります。
それでも尚、冬の到来を告げる風物詩は健在です。BY24、今季
酒造年度の新酒が出来上がりました。気をつけて見ていれば、
街中で軒下に吊るされた酒林(新酒の出来上がりを知らせる印
で、杉の葉を束ねて球状にした飾りもの)を見つける事ができる
でしょう。


当店にも今季第1号の新酒が新潟県糸魚川市の根知谷から
届きました。この蔵は日本酒業界の将来を憂い、日本酒の
世界では非常識であっても、ワインの世界では極めて常識的
な事を取り入れ、農作物の加工品にとって最も大切な田んぼ
を守る所から大事にしています。
また、地酒とは何かを問い直した結果、原料米は蔵のある
根知谷産、仕込み水は裏山から湧き出た自然水、米栽培も
醸造も地元の人間が行う、真に原産地は根知谷です。この
概念は欧州を始め、ワインの生産地では当然の事で、その
商品の出所を明らかにし、消費者に誤解を与えない優れた
制度なのです。
ワインの世界に身を置いて25年。漸く日本酒も原産地呼称
を尊重する時代が到来するのかと 感慨深いものがあります。
このブログを読み、日本酒にも関心のある方は是非、根知
男山の渡邊酒造店のWEBをチェックしてみて下さい。この
蔵の進んでいる方向が日本酒業界で生き残る為の最善の
方法ですし、日本酒業界にいかに問題が山積しているのか
を認識させてくれます。


酒蔵は日本酒を造っていればそれでOKの時代はとっくの昔に
終焉を迎えています。根知男山が掲げるこのポリシー、「米を
造り、田んぼを守る」これこそが工業製品でなく、農作物である
日本酒を造り続ける為の必須条件なのです。
原産地呼称を尊重する日本酒はワイン専門店でこそ販売し、
守って行くものと思っています。
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根知男山 2012 雪見酒しぼりたて生酒
飲み頃温度:8~10度。
<清楚な香りと軽快でなめらかな味わいの辛口>
720ml 1,785円
この日本酒の味わいを生かしつつ一緒に味わえる料理なら
・白身魚の天ぷらを塩で
・ポン酢で食す淡い味わいの刺身
・塩味のちゃんこ鍋