2012年11月6日火曜日
大収穫
昨日、5日(月)はスペイン大使館主催のスペインワイン商談会参加
の為、休業させて頂き、お客様にはご不便をおかけ致しました。
商談会ではおよそ200種類のワインテイスティングをし、年末に向け
新たに取り扱いをしたい商品をかなりの数、見つける事が出来ました。
「テイスティングした事のないワインを販売しない。」がモットーです
ので、この様な大規模な商談会は非常に有意義な時を過ごせる為、
貴重です、
昨日の一番の発見は、酒精強化ワインのSherry(Jerez)/シェリー
(へレス)。造り手はBodegas Dios Baco/ボデガス・ディオス・バコ。
この造り手を現地で訪問した事はありませんが、多数のシェリーの
造り手を現地で訪ね、テイスティングして来た経験から考えると、
昨日、テイスティングしたワインのコンディションは現地のものと大差
なく、極めて良好なもの思われます。
現地でのテイスティングはこの様なカウンター越にボデガのスタッフ
と語り合いながらして行きます。余談ですが、この事からも判る様に
ワインの世界でビジネスを有意義にして行くには、ワインの事を理解
している事は当然の事ですが、少なくても英語は話せなくてはダメで
もっと言えば、フランス語、スペイン語が出来れば申し分なし。
ドイツ語も出来ればパーフェクトです。
シェリーはワインの一種ですが、白ワインを造る過程で、ワインを
蒸留したグレープスピリッツ(無色のブランデー)を添加し、香味を
整えてある酒精強化ワイン(フォーティファイド・ワイン)です。この
仲間にはポルトガルのPort/ポートやMadeira/マデイラ、イタリアの
Marsala/マルサラなどがあります。
ブランデーで強化し、保存性を高めてありますが、これらもワイン
です。私達が通常、接しているワイン達と同じ様に大切に扱って
あげなくてはなりません。
しかし、輸入元の中には酒精強化ワインであるが故に、その扱い
が雑で、現地の状態を大きく下回る商品を国内市場に流通させて
しまっている場合が非常に多く見受けられます。
その理由の一つはブランデーを添加し、保存性を強化してあると
言う油断から。もうひとつは、輸入元のスタッフと言っても、現地に
実際に行き、造り手のボデガ(ワイナリー)で良好なコンディション
のワインを真剣にテイスティングした事がない場合がほとんど。
現地でのワインの状態が判らないのですから、日本にやって来た
ワインの状態をチェックしようがありません。飛行機でやってくる
のでなければ、赤道を船で通過している訳で、その事を絶対に
忘れてはいけないのです。
シェリーの中のひとつ、繊細で軽やかなManzanilla/マンサニージャ
は、この様に陽光溢れ、南国を思わせる美しい街、Sanlucar de
Barrameda/サンルーカル・デ・バラメダで生まれます。この景色と
同じ様に一点の曇りもない美しい酒質のマンサニージャ。それが
日本にやって来ると青空に雲が立ち込めて来たかの様な香味
を呈します。それではダメなのです。マンサニージャはあくまでも
クリアで一点の曇りもないこの青空の様な清々しさがあるもの。
そんな良好なマンサニージャに昨日、出会った訳。
シェリーはこの様に特殊な膜に保護され、酸素から切り離され、
酸化する事無く、熟成されます。ご覧の通り、膜の下のワインの
外観は白ワインと何ら変わりません。
この様な状況で造られるシェリーのマンサニージャとFino/フィノ
はフレッシュで清々しく、レモン&天然塩で味付けして食す軽い
味わいの料理にピッタリの香味を本来、備えています。
昨日、出会ったそんなシェリー。輸入元との販売交渉が待って
いますが、12月には店内在庫し、皆様にお楽しみ頂きたいと
考えています。
現地のコンディションをそのまま保った国内在庫のシェリー。
入荷までしばらくお待ちください。日本で味わうシェリーの概念
を大きく変えてくれる筈です。