仲の良い仲間と一緒に味わうワインは一層、その味わいが引き立つ。
そして、そこに絶品の料理が加われば、至福の世界。もう何も言う事
なく、その素晴らしきひと時にどっぷりと浸かるだけ。
先日、その素晴らしいひと時に登場した料理のひとつが上の画像の
グラタン。今まで味わった事もなければ、見た事もない1品。料理人
のインスピレーションがキラリと光る創作料理。その正体は柿と牡蠣
のコラボレーション。
柿の甘味が旨味となって、海のミルクの牡蠣、グラタンのクリームと
マリアージュ。三位一体となったミルキーでシットリとした旨味が優美
に口中を満たす逸品。決して奇をてらった1品でなく、完成された味、
完成された香りある非のない料理でした。
この料理は柿の中をくり抜き、柿の実をサイコロ状にし、牡蠣、ルー
と共に柿がそのまま器になり、熱を加え、グラタンにした料理。器は
柿そのものですから、中のグラタンを食した後、グラタンの旨味の
染み込んだ器まで味わい尽くせる訳。
この逸品は群馬県館林市本町にある「大衆割烹 昇風」が供する
料理。通常メニューにはありませんが、前もって予約リクエストすれ
ば、親父さんの事ですから喜んで作ってくれる筈です。
柿も牡蠣の冬の食材。食してみたい方はこの冬に是非、挑戦して
見て下さい。想像を遥かに超えた風味の逸品です。
その柿/牡蠣グラタンを食した時にどんなワインが合うのだろうか?
と。完熟した柿、いや完熟した果実全てがそれ自体で蜜様の香り
を備えています。それに火が入る事でその香りはトロピカルな香り
へと変化します。
ワインにトロピカルな香りがあるもの。しかし、その香りがハニー
過ぎず、穏やかに広がるワイン。こんな風味のワインは、誰もが
知っている、あの品種、そうChardonnay/シャルドネを原料に
木樽で熟成されたものに多く存在します。
しかし、その様な造りのワインであっても、中には重厚過ぎるもの
もありますから、要注意。ベストな酒質は、ステンレスタンクで
醸造したワインに、木樽熟成したワインも部分的にブレンド。
そのワインに感じる酸味は、オイリーでバターを思わせる様な
乳酸でなく、シャープさを残したリンゴ酸の要素が多い事。
専門的に言えば、MLF/マロラクティック発酵でリンゴ酸を乳酸菌
の働きで乳酸に変え切っていないワインがベストです。
そんなタイプのワインはこれ。チリの白ワイン。シャルドネを原料
に一部分を木樽で熟成し、MLFはほとんどしていません。香り
に優しいトロピカルさを感じ、完熟した柿が加熱作用によって
放つ香りに同調する香りを持っています。
どうです?この柿/牡蠣グラタンは。もし食したくなりましたら、
是非、昇風に問い合わせのTELを。そして、アレンジ出来た
際には、この白ワインも用意してもらいましょう。
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Santa Alicia 2011 Maipo Chardonnay Reserva
サンタ・アリシア 2011 マイポ、シャルドネ・レセルヴァ
相性の良い料理:素材の持つ優しい甘味を生かした軽やかな
味わいの料理。
チーズなら・・・モッツァレッラ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
1,365円
天使ラベルの白ワインがカキに降り立ち、マリアージュ。その
至福をお楽しみ下さい。
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この白ワインを家庭で楽しむのなら、かぼちゃをタップリ入れた
クリームシチューがお勧めです。