2012年11月20日火曜日
5品種のコラボレーション
フランスには様々なワイン産地があります。Bordeaux/ボルドー、
Bourgogne/ブルゴーニュ、Champagne/シャンパーニュなどなど。
そんな産地の中にフランスでは異風なスタイルを特徴とし、その
歴史はいろいろな環境に翻弄されて来た産地があります。
その産地は東をライン川で分かち、ドイツと接しているAlsace/
アルザス。1648年フランス→1870年ドイツ→1914年フランス→
1939年ドイツ→1945年フランスと言う具合に両国を行ったり
来たり。その為、街並もワインのスタイルもドイツの色合いが
非常に濃く、食もドイツ料理に通じるテイスト。
接していれば両方の特徴を備えるものでしょうが、アルザス地方
はそれを超えた共通項がある様に思えます。そのアルザス地方
を今日は旅してみたいと思います。
アルザス地方のワイン産地は南北に約100km、東西に約5km
の幅で標高200~400mのヴォージュ山脈の東、南東、南向きの
斜面に広がっています。
上の画像は中心街のひとつ、Colmar/コルマールから産地へ
向かう道。車が見えると思いますが、あの辺りまで行くと前方に
ヴォージュ山脈の美しい風景が広がります。
こんな風景です。山のふもとにはデイリーワイン用のブドウ
が栽培され、斜面に進むに従い、高級ワイン用のブドウを
栽培する畑になります。
山の頂きに見える城はChateau du Haut Koenigsbourg/
オー・ケーニッヒスブルク。非常に人気のある観光スポット
で、フランス人だけでなく、多くの外国人が集っています。入場
にはお金がかかりますが、城の見晴らし台からはアルザスを
一望でき、雄大な気分に浸れます。
アルザス地方のワインは圧倒的に白ワインが多く、少しの
赤ワインと僅かばかりのロゼワインになります。発泡性ワイン
のCremant/クレマンもほとんどが白ワインです。また、この
地方のワインの特徴は、単一品種から造られている事が
多く、ラベルにその品種名が記載されています。
しかしながら、複数の品種のブレンドで造られるワインもあり、
この原産地で認められている品種ならどの品種の組み合わせ
でもOKなEdelzwicker/エデルツヴィッカー、特定の4品種の内
1種類を50%以上使い造られるGentil/ジャンティもあります。
どちらも白ワインです。
今日、紹介するワインはエデルツヴィッカー。5種類のブドウ
をコラボレーション、日本の甲州から造られた白ワインにも
通じる香味をしたワインです。
主体になっているのはSylvaner/シルヴァネルと言う品種。この
品種からのワインは香り穏やかで、骨太なミネラル感があり、
口当たりはシャープ、後味に心地良い苦味を感じます。その
後味は大根やカブ、白菜など白い色合いの根菜類にある
苦味旨味に通じます。ですので、この白ワインにはそれらを
使った料理がピッタリです。
また、補助品種にはMuscat/ミュスカ(マスカットのフランス語
呼び)やRiesling/リースリングが使われていて、それらから
柑橘果実、白や黄色の花の華やかな香りもこのワインに
備わっています。そんなフルーティーさとフローラルさは本来
料理との接点には邪魔な存在ですが、解決策はあります。
料理にその様な香りを添えてあげれば良いのです。例えば、
上の画像の漬け物。塩味の浅漬けですが、ユズ風味を添え
根菜類の土を思わせる香りを和らげています。そのユズの
ヒントがこの白ワインのフルーティーさとフローラルさとの
マリアージュを生み出すのです。
ワインと料理の相性の良さは、調味料、インパクトのある
食材を少し添えてあげる、こんな簡単な作業で大きくアップ
します。
日本テイストなフランス、アルザスの白ワイン。和風料理
とのコラボレーションをしてみませんか。
大根やカブを白だしで炊き合わせた料理にもこのワインは
ピッタリです。
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Roland Schmitt 2011 Alsace Edelzwicker
ローラン・シュミット 2011 アルザス、エデルツヴィッカー
相性の良い料理:素材の持つ優しい甘味を生かした
軽やかな味わいの料理。
チーズなら・・・モッツァレッラ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
1ℓ入り 2,310円