ドイツ、フランクフルト国際空港の西方、そう遠くない所にHochheim
ホーホハイムと言う村がある。この村はRiesling/リースリングと言う
ブドウから高貴な風味を備えた白ワインを生み出すと高い評価を
得ている。
その村にKonigin Victoriaberg/ケーニギン・ヴィクトリアベルク
と言う畑があり、こここそ世界で唯一、英国女王が自らの名前
を冠しても良いと許しを出した畑。その名は、ヴィクトリアの丘。
1845年にホーホハイム村を訪れた当時の英国女王、ヴィクトリア
女王はこのホーホハイム村で生まれたたくさんの白ワインを飲み
比べた末、ひとつの白ワインを非常に気に入りました。そのワイン
の原料となったブドウが育った丘に行き、きっとその風景も気に
入った事でしょう。そして、その丘に自らの名、ヴィクトリアを与えた
のです。
このヴィクトリアベルク/ヴィクトリアの丘で栽培されたリースリング
から造られたワインは今でも英国王室で味わい続けられています。
白い果肉の果実の華やかさ、白い花の清楚さ、ミントや柚子を
思わせる爽やかさある香り。白桃、ラ・フランスのジューシーさ、
柑橘果実を思わせる酸味とミネラルのシャープさある味わい。
一点の曇りもない酸味、甘味、苦味のエレガントなハーモニーは、
真に美しいと形容出来る程。英国王室の品格に相応しい資質を
備えた白ワインです。
この美しい酒質を損なう事なく、味わうにはワインだけで楽しむ
のがベターですが、ワインはやはり食中酒。料理と相乗する事
でお互いの良さを更に引き立てれば、その楽しみは倍増。
ではどんな料理を合わせれば良いのでしょうか?ワインの繊細
さに合わせ、味わいは淡く、素材に自然の優しい甘味があり、
調味料の味わいが勝っていなく、柑橘果実の爽やかな香りが
添えてある。こんなイメージの料理がピッタリです。
例えば、上の画像の様な椀もの。出汁で炊いた甘鯛を白醤油
で淡く味付け、そこに刻み柚子を添えてあげる。
他には、白湯スープ柚子風味で食すつけ麺もお勧めです。
この白ワインに合わせ楽しむには、料理が淡い味である事と
柑橘果実の爽やかなアクセントが備わっている事。なので、
柚子やスダチの入ったポン酢で食す淡い味わいの料理なら
パーフェクトなマリアージュと行かないまでも、違和感のない
ハーモニーを楽しめるでしょう。
もっと気軽に行くのなら、白菜や大根の塩味浅漬け、柚子風味
でOK。でも食す時は、醤油を付けないで下さい。ワインとの折角
の相性の良い接点がなくなってしまいますから。
繊細さには繊細さ、柑橘果実のヒントには柑橘果実を。この様
な組み合わせで、世界で唯一、女王公認の畑から生まれた高貴
な白ワインをご堪能下さい。
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Joachim Flick 2011
Hochheimer Konigin Victoriaberg (Q) Trocken
ヨアヒム・フリック2011
ホーホハイマー・ケーニギン・ヴィクトリアベルク、トロッケン<ドイツ>
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが
良く合う、淡白な味わいの料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:6~8度。
<軽く、爽やかな、やや辛口>
2,625円