2012年10月21日日曜日

生カキにはシャブリと言うけれど


秋が深まり、食欲をそそる様々な食材が市場に出回っています。海の
ミルク、カキもそのひとつです。カキは生で食しても、フライにしても、
グラタンにしても、シチューにしても、それぞれの良さを楽しめます。
しかし、鮮度抜群のカキが手に入ったなら、是非、生で海の恵みを
タップリ含んだ身を味わい尽くしたいものです。
良く言われている事。生カキにシャブリと。Chablis/シャブリ、これは
フランスを代表する白ワイン。ワイン法でChardonnay/シャルドネと言う
ブドウから辛口に造った白ワインとなっている。そして、シャブリの産地
はパリから南東、およそ150kmにあるシャブリと言う村を中心に半径
約8kmのエリア。シャブリで造られたからシャブリなのです。
しかしながら、シャブリで栽培されたシャルドネで、シャブリで辛口の
白ワインを造れば、それがシャブリな訳で、醸造過程、熟成過程の
規定は柔軟。ブドウの持つ要素以外をワインに付けたくない造り手
はステンレス製のタンクで醸造も熟成もしますし、香味に複雑さや
厚みを付けたい造り手はオークで出来た木の樽で醸造したり、熟成
したりします。
両者の酒質は同じシャブリと言っても、同じ品種で造られたのか不明
なほど、違っています。そんな酒質の異なるシャブリをひとくくりにし、
生カキにシャブリと言ってしまうのは無理がある。そう思いませんか?
実際、木の樽の要素を多く感じるシャブリと生カキを味わうと、カキの
持つミネラルが非常に苦く感じます。海の幸のミネラルは本来、心地
良いものなのですが...。



生カキにシャブリ、この表現は親切ではありません。生カキには木樽
発酵や熟成をしていないシャブリ、こう言わなければダメなのです。
ステンレス製のタンクで発酵、熟成したシャブリ、他の白ワインもこの
製法で造れば似るのですが、は一点の曇りもないクリーンな香味を
し、柑橘果実やミントの爽やかさを感じ、リンゴ酸とミネラルの骨太
でシャープな口当たり、研ぎ澄まされた 酒質をしています。
この酒質が海のミネラルとリンクし、苦味を不快にさせず、心地良い
ままに留めてくれるのです。更に、柑橘果実やミントを思わせる香り
に合わせ、生カキにレモンをひとかけしてあげれば、お互いの調和
はパーフェクトです。


シャブリには4つのクラスがあり、ワイン法に従うとPetit Chablis/
プティ・シャブリ、Chablis/シャブリ、Chablis Premier Cru/シャブリ
1級、Chablis Grand Cru/シャブリ特級の順に高額になります。
生カキに合わせるのはプティ・シャブリやシャブリが良く、1級畑
や特級畑のシャブリは木樽使用のワインである事が多く、生カキ
には不向きです。
とは言っても、シャブリでも木樽使用のワインもありますので、
購入の際には木樽不使用を確認して下さい。確認が出来ない
状況でしたら、シャブリではなく、プティ・シャブリを買うと良い
でしょう。
生カキには木樽不使用のシャブリ。これで生カキと白ワイン
マリアージュを堪能出来ます。
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Jean Collet 2010 Petit Chablis
ジャン・コレ2010プティ・シャブリ
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う
           淡白な味わいの料理。
           チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:6~8度。
<軽く、爽やかな辛口>
2,100円
この白ワインで生カキを味わい尽くして下さい。
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シャブリ1級やシャブリ特級はカキフライを塩だけで食す時には
最適です。