2012年9月19日水曜日

スーパー・プレミアム・チリ赤ワイン


店に設置してあるワインセラーを整頓すると、時々、保管した事を
スッカリ忘れてしまっていたワインを発見する。上の画像のワイン
もそう。先日、店内のセラーの最奥部で見つけた。これはチリの
赤ワイン、Sena/セーニャ。ファースト・ヴィンテージは1995年。これ
が市場に登場した時の衝撃は凄まじかった。
今でこそ、ヨーロッパ以外の産地ででも10,000円以上する高額の
ワインが多数あるが、当時、低価格で高品質を掲げ、市場での
勢力を拡大していたチリのワインなのに、桁がひとつ違うワインが
登場したのだから、それだけでも大きな驚き。
それに加え、その香味がフランスのボルドーを彷彿させたのだから
そのインパクトの凄さは計り知れなかった。このチリ初のスーパー・
プレミアム・赤ワインは価格も、その品質も何もかもが当時としては
稀有だったし、ヨーロッパ以外でも偉大なワインが生まれる可能性
が大きい事を世界のワイン市場に知らしめたパイオニアだったの
です。
昨夜、気心の知れた仲間とこのセーニャ1997を楽しんだ。コルクを
抜くと、ワインに接していた面は色素で黒ずみ、その香りはシダや
タバコを思わせる芳醇な複雑さを放っていた。もう、既にこの時点
で瓶の中のワインの充実度は半端ない事が推測でき、ワクワク
しながら各人のグラスに注ぎ分けた。
色合いは光が透ける事のないまでの深み。色調は黒みの強い
深紅。香りはシダ、杉の葉、タバコ、ローストした緑黄色野菜、
ブラック・オリーヴ、チェリー、プラム。
味わいは酸味を基調に、力強い広がりながら、しなやかさもある
タンニン(渋味)の重厚な主張、樽からのヴァニラ成分の華やかさ
がハーベイシャスを和らげる残香へと進む。
ブラインドでチェックしても、参加者全てがCabernet Sauvignon/
カベルネ・ソーヴィニョンが主体と認識出来る程、品種個性が
明確な状態だった。
そのポテンシャルの大きさには改めて驚かされたが、セラーにて
適切に保管するなら、更に軽く10年は熟成、向上して行きそうな
酒質。もし、このセーニャ1997を良好なコンディション下で保管
している人がいるのなら、今、飲まずに、少なくとも数年は待ち、
20歳を迎えた時に抜栓する事をお勧めします。


そして、昨夜のセーニャ1997にドンピシャリのマリアージュを
奏でたのは、サンマの刺身。サンマの脂肪分には、果実味と
タンニン、樽からのヴァニラ成分のハーモニーから生まれる
甘味旨味との相乗効果があり、両者が口中で渾然一体と
なり、豊かな旨味を楽しませてくれるのです。
更に、カベルネ・ソーヴィニョンの個性、ハーベイシャスさを
活かす為にサンマと一緒に刻みネギを一緒に噛みしめると
香りまで全く離反のない、パーフェクトなマリアージュを堪能
出来ました。
芳醇な、しかし、フルーティーでない赤ワインにはサンマ、
イワシ、カツオなどの刺身と想像を超えた相性の良さを見せ
ます。是非、試してみて下さい。フルーティーな赤は絶対に
ダメですよ!!
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Sena 1997 / セーニャ1997
店内セラーにまだ在庫があります。