2012年9月7日金曜日

ワインとアレルギー

山梨大医学部の中尾篤人教授(免疫学)らの研究グループは、赤ワイン
に多く含まれるポリフェノールに、食品アレルギーの予防効果があること
をマウスの実験で突き止め、4日付の米オンライン科学誌「プロスワン」
に発表した。
 食品アレルギーを防ぐ薬はなく、中尾教授は「予防策や治療薬の開発
につながる可能性もある」と話している。
予防効果が判明したのはポリフェノールの一種「レスベラトロール」。
老化防止効果や抗酸化作用などがあるとされ、サプリメントとして市販
されている。
 研究では、卵アレルギーを持つ体質に変化させたマウスに、レスベラ
トロール入りの餌を1週間食べさせ、その後に卵を与えたところ、通常の
餌を与えたマウスに比べてアレルギー反応が10分の1程度だったという。
卵以外の食品アレルギーにも効果があるとみられる。
 今回、マウスに投与した量を人間に換算すると1日約1グラムで、
サプリメント数粒で摂取できる量だという。
**************************************************************


今朝のWEB新聞にこんな記事が載っていた。アレルギー患者にとっては
朗報なのだが、ちょっと待ってよ。この記事、あまりにも不親切。それは、
この記事を見た消費者、卵アレルギー患者はこう考えるに違いない。
Resveratrol/リスベラトロールにその様な効用があるのなら、手っ取り早く
摂取するには赤ワインを飲めば良いのだな、と。
これは重大な事態を引き起こす可能性が大。実は赤ワインには卵の
成分が残留している事があるから。
赤ワインは発酵が終了した直後は濁りがあり、それを取り除く為に卵白を
溶き、赤ワインに流し込み、その濁りを吸着させ、ワインを清澄させます。
濁りを吸着した卵白は固形物として沈殿しますが、成分の一部がワイン
に溶け込んでいると言われています。その為、EUでは卵白で清澄した
ワインはラベルにその旨を表記しなくてはいけないと法令化されました。
もし、卵アレルギーの人が赤ワインに卵白の成分が残留している事を
知らずに、食品アレルギーに効果があると飲んでしまったら、取り返しの
つかない事態になってしまう事が容易に想像できます。なぜ、その様な
事態になる可能性があるにも関わらず、記事内で言及しないのか?
記者が卵白での清澄を知らないのか。いや、それは違うと思う。それは
この記事を取材した際にドクターが言及しているはずだから。
私は様々な食品にアレルギーを持っていて、自分の身をもって、どの様
な症状になるのか人体実験して来ました。人の口に入る食品を商う立場
の人間として、自身、アレルギーの重篤な患者として、食品アレルギー
で苦しむ消費者に害が及ばない様、ワインを販売して行かなければなり
ません。そして、それが確実に出来る様に、日々、学んでいます。
食品や特定の物質にアレルギーがあるワイン愛好家の皆様は是非、
当店にワインを買いに来て下さい。自分の実体験から、アレルギーの
発症を避けつつ、ワインを楽しめるアドヴァイスをさせて頂きます。
それから最後にもうひとつ。ワインはアルコール飲料であっても、
決して薬ではありません。