2012年9月6日木曜日
黒いワインと黒い焼きそば
かつて、黒いワインと呼ばれたワインがあった。それはフランスの南西部
のCahors/カオールと言う街を中心にした小さなエリアで造られていた。
原料ブドウは元々はこの産地のものではなかったが、この地の気候風土
に適したのだろう。Malbec/マルベック種から当時では極めて稀な色合い
をした赤ワインが誕生した。
当時の赤ワインはClaret/クラレットと呼ばれ、今で言う所の色合いの濃い
ロゼワインの様だった。それがマルベックから造られたカオールは色が
透けないほど濃く、黒みを帯びた外観だった所から、黒いワインと呼ばれ
非常に価値のあるワインとして名声を極めていた。
近年では、黒いワインを連想させるほど濃いカオールに出会う事はまれ
なのだが、画像のカオール、2008年産は黒いワインと呼べる位の濃い
色合いと黒みを感じる色調をしている。にもかかわらず、味わいはこの種
のワインにありがちな濃厚過ぎる事がなく、むしろ洗練された品位を感じ、
食卓で活躍出来るワインなのです。
そして、マルベック固有のスミレやラベンダーを思わせる華やかな香り、
インクや香水を思わせるパフュームさも持ち合わせ、個性豊かな酒質に
仕上がっています。
こんなワインにはフルーツやスパイスの香り豊かなソースやタレを使った
料理を合わせたい。そこで我が街、太田市の名物、黒い焼きそばは如何
でしょうか?見て下さい、このビジュアルを。これは決して、焦げているの
ではありません。濃色カラメルで色合いを整えた焼きそばソースの色なの
です。
でも、味わいはそれほどコッテリでなく、甘味旨味の優しい広がりある
穏やかな口当たりをしています。ただ、このソースの難点はこの色合い
に仕上げる為に粘度を強くする為、焼きそばが直ぐに固まってしまう事。
そこで、この焼きそばを食べる時にお勧めなのが、エクストラ・ヴァージン
オリーヴ・オイルを適量かけ、焼きそばをほぐしてから味わい尽くす事。
こうすると、ワインとの接点も広がり、より良くマリアージュするワインと
太田焼きそばのハーモニーを楽しめます。
黒いワイン、カオールと黒い焼きそば、太田焼きそばのマリアージュ
の妙をあなたの五感で堪能し尽くして下さい。
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Chateau la Poujade 2008 Cahors
シャトー・ラ・ポジャード2008カオール
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら・・・パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:16~18度。
<まろやかなミディアム~フルボディー>
1,890円