Bourgogne Pinot Noir/ブルゴーニュ、ピノ・ノワを語る時、最高
の賛辞は美しいだと思う。スミレを思わせる透き通ったパフューム
さ、森の奥深くに分け行った時の穏やかな気配、そして、野生の
恵みを感じさせる複雑さ。味わえば、甘味、酸味、苦味、渋味が
一糸乱れず調和し、綿あめの様に広がり消えるしなやかさ。それ
は官能に訴える美しさ、いやエロさとさえ言える。
こんなピノ・ノワに出会えたなら幸せだ。ブルゴーニュの最高の
地位にあるGrand Cru/グラン・クリュ(特級畑)のワインを毎日毎日
飲めるのなら、いつでも幸せ。しかし、そんな世界は非現実的。
ならば、たまに味わうピノ・ノワに幸せを感じさせる要素を求めたい。
そんな願いを叶えようと探し求め、遂に出会った逸品がこれ。
価格は必ずしもデイリーとは言えませんが、ピノ・ノワで出来た赤
ワインに美しさ、エロさを求めるのなら、これが再下限値です。
近年、赤ワインの消費時期が早まり、3,000円クラス位までの価格
のワインなら、2年ほど前の収穫年の商品が主に流通する中、この
ワインの収穫年は2008年。十分に熟成を経て、その香味は深みを
増しています。
これからの季節、天然の茸の料理に合わせてもOKですし、脂の
乗った秋の魚に合わせてもOKです。
一緒に楽しむと良い様々な料理の中から、これは特に素晴らしい
マリアージュを奏でそうと言う2品を紹介します。
1品めは、マグロの赤身の漬け。赤身の魚は元々、ピノ・ノワには
非常に合わせ易いのですが、漬けにする事で更に味わいを深め、
香味を複雑にする事で、より一層、ピノ・ノワの味わい深さに寄り
添う様になります。
もう1品は、鴨せいろそば。蕎麦の大地を思わせる香味に鴨肉
の味わいの芳醇さが合体し、更にはつゆが全体を包み込み、
滋味を口中一杯に満たしてくれます。この美しく、繊細なピノ・
ノワのワインなら、その滋味を削がず、優しく引き伸ばして
くれる事、間違いなし。
ピノ・ノワと鴨のマリーアジュは、フランス料理ででも、イタリア
料理ででも、もちろん、日本料理ででも定番の組み合わせ。
牛肉よりも、鴨肉とは本当に相乗し、お互いの旨味を引き立て
ます。
近所に行きつけの蕎麦店がるのならら、このピノ・ノワを持ち
込んで、是非、鴨せいろそば、鴨南蛮そばでもOK、と一緒に
味わい尽くして下さい。
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Domaine Camu 2008 Bourgogne Pinot Noir
ドメーヌ・カミュ 2008 ブルゴーニュ、ピノ・ノワ
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら・・・パルミジャーノ。
チェダー。
飲み頃温度:16~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
3,150円