2012年9月30日日曜日

合うんだなぁ、この不思議な組み合わせ


厳しい残暑もそろそろ終わり。冷えたビールに枝豆でこの暑さを乗り切った
方も多いはず。知りませんでしたが、調べたら枝豆のシーズンは露地栽培
ものは10月までなのですね。終盤ですが、まだまだ枝豆を味わえます。
そんな訳で枝豆に合わせワインを楽しんでしまいましょう。枝豆にはビール
でしょう。いやいやワインもなかなか良く合います。
ある品種から造られたワインには緑黄色野菜の香りを感じます。その
香りと同系の香りを持つ食べ物ならば、口中で一体となっても違和感を
感じません。
また、大豆油がある事から判る様に、枝豆にも多くの油分があり、その油分
と赤ワインのタンニン(渋味成分)が渾然一体となる事でお互いが相乗し、
甘味旨味が創られます。
ワインと食べ物が調和をすると、甘味が生まれます。この状態が相性の
良さ、いわゆるマリアージュです。
それではどんな品種から造られたワインに緑黄色野菜の香りがあるのか。
それはCabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンと言うブドウから
造られた赤ワインにあるのです。時にこの香りが強過ぎて、青臭いなどと
言われる事も(天候が不順で、ブドウの熟度が上がらないとその種の香り
が強く出ます。)。
カベルネ・ソーヴィニョンから造られた赤ワインの典型的な特徴は、シダ
杉の葉、ピーマンなどの緑黄色野菜の香りに加え、チェリーやプラム
更にはカシスを思わせる香りもあり、味わいは酸味を基調に芳醇な
タンニン(渋味)がドッシリと広がる。こんな感じのワインです。
応用を効かさずに、香りの個性から一緒に楽しむと相性の良い料理は、
ハーブスパイスの香りを感じるもの春菊などで香り付けしたものなど
で、味付けは醤油、味わいに脂肪分からのコク、旨味を感じるもの
なります。



枝豆とカベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインは、香りの同化、枝豆の油分
と赤ワインの渋味の相乗による旨味の生成から相性が良い事が説明
出来ます。
しかし、これはどうにも説明がつかない。けれど、実に良くマリアージュ
する。それは卵とフルーティーでない赤ワイン子持ちししゃもにも
フルーティーでない赤ワイン。出汁の効いた甘くない卵焼きにも
フルーティーでない赤ワイン。本当に合うんです。
あえて説明すれば、恐らく卵に含まれる油分の旨味と渋味の調和
ではないか。そう感じています。
でも、イクラにはどうしても赤ワインが合わない。もちろん合うワイン
はありますが。
この世の食べ物に合うワインは必ず存在する。それはワインが多様
だから。色で分ければ白、ロゼ、赤。発泡していないスティルワイン、
そして発泡しているスパークリングワインもあり。甘いワインも辛い
ワインもある。さらに味わいは様々。
枝豆にビール、子持ちししゃもに日本酒、卵焼きに焼酎、こんな組み
合わせもいいですが、ワインとの意外な組み合わせで驚きの感動
を堪能するのもまた一興。
当店では、驚きのマリアージュを実感して頂ける様、色々な試みを
実際に行い、興味深いワインと料理のマリアージュをお勧めして
います。


甘くない出汁巻き卵焼きにカベルネ・ソーヴィニョンとMerlot/メルロ
から造られたフルーティーでない赤ワインが実に良く合うんだなぁ。
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Selesao 2008 Vale dos Vinhedos Cabernet Sauvignon Merlot
セレサン 2008 ヴァレ・ドス・ヴィニェードス、カベルネ・ソーヴィニョン&メルロ
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。   
           チーズなら・・・パルミジャーノ。
                    チェダー。
飲み頃温度:16~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
1,890円