暑さ寒さも...。とは良く言ったものです。秋分の日を前に本当に
夏が終わりました。あいにく今日は雨模様ですが、明日からは
美しく、清々しい秋の晴天を満喫出来そうです。
この頃、蕎麦店に前を通ると「新そば始まりました」と言う告知
を見かける様になりました。近所の畑も可憐なそばの花が咲き
誇っています。秋に収穫したそばの実で作ったそばと、その実
を挽かずに保管しておいてしばらくしてから作ったそばとでは
違いがあるのか?ないと言えばない。あると言えばある。そう
答えるしかない。その時々の環境で状況が異なるし、同じ条件
で作ることなど絶対に出来ないから。
でも、個人的に感じている事がひとつ。収穫仕立ての実から
作ったそばは香りに透き通るニュアンスがある。ハーブとも違う
が...。その香りがSauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランと言う
品種から樽熟成なしで造った辛口白ワインに非常に良く合う。
でも、そばの色が変わる程、つゆをつけてはダメです。そんな
事をしたら、その透き通るニュアンスの香りを楽しめません。
そして、この時のそばは田舎風の黒っぽいのではなく、緑色
にも見える更科風でないとダメ。ダメダメ尽くしですみません。
香り高き更科風の新そばとどことなく日本的な香味のある
ソーヴィニョン・ブランで造られた辛口白ワインとの素晴らしい
ハーモニーをこの秋のひとつの楽しみにして下さい。
近隣の街、館林に「大根そば」なるものがある。上の画像がその食べ物。
更科風のそばの上にそばと同じ形状の大根が乗っているのです。この
両者が口中で混在した時の食感と風味がなかなかいける。そばの香り
と大根の大地の香り、そばの食感と大根の瑞々しさ。先程の更科風の
新そばにはソーヴィニョン・ブランの辛口白ワインを、とお勧めしました
が、実はこちらの大根そばとの方が断然、素晴らしいマリアージュを
堪能できます。
実はソーヴィニョン・ブランのワインには若草や高原、滝つぼの空気を
思わせる透き通ったニュアンスの香りに加え、根菜類の持つ土ぽさ、
大地を感じる香りもあり、そこから、大根、カブ、セロリなどの野菜を
使った料理に合わせ易いのです。
ワインと料理は口中で同化できる事。一体化できる事。これこそが相性
の良さなのです。ワインに感じる香りの食材を使った料理に合わせる。
料理に使われた食材の持つ香りと同系の香りを持つワインを合わせる。
この基本をベースにワインと料理を一緒に味わえば、そのハーモニー
は実に心地良いものになるでしょう。
更科風の新そばとソーヴィニョン・ブランの辛口白ワイン。
大根そばとソーヴィニョン・ブランの辛口白ワイン。
普通ならまずしない、こんなマリアージュを堪能して下さい。
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Jonathan Didier Pabiot 2010 Pouilly Fume
ジョナサン・ディディエ・パビオ2010プイィ・フュメ<フランス>
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う
淡白な味わいの料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:6~8度。
<軽く、爽やかな辛口>
3,150円