2012年9月16日日曜日

限定産地のレア物ワイン


フランスには白ワインの宝庫と言われるワイン産地が2つある。ひとつ
はパリから南に下ると雄大に流れる大河に出会う。その大河、Loire/
ロワールの流域に広がる。そして、もうひとつはパリから東に向かい
ドイツ国境が見渡せる山々がある。その山の東向き斜面や南東向き、
南向き斜面に広がるAlsace/アルザスだ。
アルザスは過去の歴史上、フランスであったり、ドイツであったりした
為、フランスの中でも独特の雰囲気、文化を持っている地域。強いて
言えば、ドイツにいるかの様な風景が広がる。
その白ワインの宝庫、アルザスにロゼワインの様な白ワインがあり、
非常に印象深い香味で飲み手を楽しませてくれる。そのワインは、
アルザスの中心、Strasbourg/ストラスブールから車で1時間程の限定
産地から生まれる。
Klevener/クレヴネルと言うブドウから造られるのだが、このブドウは
その素性が実に謎に包まれていて、恐らく、イタリア側のアルプス・
エリアからもたらされたのではないかと言われている。
ライチ、白いバラ、キンモクセイの香りがエキゾチックに広がるワイン
を造るGewurztraminer/ゲヴュルツトラミネルと言うブドウに類似性が
あり、実際にお互いのワインを比べてみると、香りの強弱はあれ、
その風味は似ていて、外観も白ワインともロゼワインとも思える様な
個性豊かな色合いをしている。


このクレヴネルから造られるワインはアルザス地方ならばどこでも
OKと言う訳ではなく、 数多くある村の中から僅か4村にのみ許され、
誕生するレア物ワインなのです。
その4村は北からObernai/オベルネ、Goxwiller/ゴクスヴィレール、
Heiligenstein/ハイリゲンシュタイン、Gertwiller/ゲルトヴィレール。
中でも産地の中心になるのがハイリゲンシュタイン。一番上の画像
が村の入り口。のどかな、そしておとぎの世界の様な家なみが続く。


村に入るとこの様な看板をいくつか目にする事が出来、これはここ
でクレヴネルのワインを造っている、あるいは売っていますと宣伝
している訳。看板の可愛らしさもこの家なみに調和し、本当にここ
はくつろげる場所です。
クレヴネルのワインに出会いたくてこの地を訪れたのが2009年の
春。実は現地でも本当にレア物。造り手を訪問してもクレヴネルの
ワインを造っていない方が多い、と言うよりも圧倒的に造っていない
方が多いのです。なので、この看板を目指して訪問しなさいと教授
されるまでずいぶん時間を浪費してしまった苦い思い出が...。
フランスであったり、ドイツであったりしたアルザスですが、今では
れっきとしたフランス。だから当然、フランス語。そう思ってHを発音
しないで、Heiligensteinをエリゲンシュタインと言ったら、違うよ、
ハイリゲンシュタインだよと言われた。確かにドイツ語で発音する
ならその通り。ドイツの街名に多いHeimは、ハイムと発音する訳
だから。
商いを始めて15年、クレヴネルのワインを初めて店で販売します。
一度、味わえば記憶から消える事のないユニークなワイン、この
レア物を是非、堪能して下さい。
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Metz 2009 Klevener de Heiligenstein
メッツ 2009 クレヴネル・ド・ハイリゲンシュタイン
相性の良い料理:素材の持つ優しい甘味を生かした軽やかな
           味わいの料理。
           チーズなら・・・モッツァレッラ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
3,150円
ピッツァ・ハワイアン・デライト
パイン入り酢豚
柚子風味の魚介系スープで食べる、つけ麺
香辛料の華やかな香りのカレー
と一緒に楽しめます。