スペインのカタルーニャ、南アフリカのウォーカー・ベイ、アメリカ
のオレゴンやロシアン・リヴァー・ヴァレー、オーストラリアのヤラ・
ヴァレーやモーニントン・ペニンシュラ、ニュージーランドのオタゴ。
イギリスやドイツも。
これらを見たり、聞いたりして、あるひとつの事を思い浮かべる人
はなかなかの見識者@ワイン。
これらは、Pinot Noir/ピノ・ノワの本場、Bourgogne/ブルゴーニュを
除き、近年、良質のピノ・ノワの赤ワインが誕生している産地。気候
の変動、栽培方法の確立など様々な要因があるが、ピノ・ノワを
育てられる産地は確実に広がりつつあり、Pinot Noir=Bourgogneと
言う構図はもはや崩れ去っている。
ピノ・ノワのワインの特徴はその酒質の高貴さ、チャーミングさ。どの
ピノ・ノワのワインにも必ずベリー系果実の香りが備わっている。が、
フレッシュ・フルーツを思わせる香りだったり、リキュールで煮込んだ
コンポートを思わせる香りであったりする。
フレッシュ・フルーツのヒントがあるピノ・ノワはどちらかと言えば高貴
さを感じ、コンポートのヒントあるピノ・ノワにはチャーミングさを感じる
事が多い。
その違いは合わせる料理の違いにもなる。前者のタイプは、甘い
ニュアンスの香りはないので、料理も甘いニュアンスの香りがない
方が良い。一方、後者は華やかさと甘いニュアンスの香りに満ちて
いるので、料理にもそのヒントがある方が合わせ易い。
後者の場合、例えば、焼いた時に出る肉汁をベースに作ったグレイヴィー
・ソース で食べるロースト・ビーフなどの肉料理は一緒に楽しむ料理として
はベスト・チョイス。
ソースの華やかな香りと煮詰まったエキスの甘いニュアンスの香りが後者
のピノ・ノワの立ち上る香りにピッタリ。また、品種個性である動物や魚の
赤身の部分を感じさせる香りが牛肉の香りと同化する。
もちろん動物赤身肉でなくてもOK。マグロの赤身をソテーしてロースト・
ビーフみたいな外観に仕上げた料理も合わせ楽しめる。赤ワインだから
と言って何も動物肉料理にいつも合わせる必要はない。動物肉、魚肉
に関係なく赤身だったら、赤ワイン。白身だったら白ワイン。これが基本。
もっと、カジュアルに楽しむのなら、テリヤキソースのハンバーグが
お勧め。グレイヴィー・ソースよりも甘いニュアンスがより強いので、
こちらの方が場合によっては、良くマリアージュしそう。
ワインと料理を合わせ楽しむ時にはそれぞれの色を同じ系統に
すると良いのだが、より良くマリアージュさせるにはお互いの香り
も同化させると良いのです。
グレイヴィー・ソースやテリヤキソースで仕上げた料理を食べる時、
一緒に楽しむワインは、ベリー系果実のコンポートの香りがある
タイプがお勧めです。
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Alvar 2010 Ontario Pinot Noir
アルヴァル2010オンタリオ、ピノ・ノワ<カナダ>
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら・・・パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:16~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
2,625円
ここ数年で品質の向上が著しいカナダのピノ・ノワ。今後、注目度大
の産地です。コンポートのヒントがあるこのワイン、画像の様な料理
と一緒に楽しんで下さい。