EUは7月からワインに含まれるアレルギー物質のラベル表示を、生産者に
義務付ける。
ワインに、アレルギー表示を義務付ける。2011年収穫以前のワインは除外され
今年の収穫分から適用される。EU26か国で流通する場合は、ロゴなどで表示
することになる。
(転載記事)
アレルギーを引き起こさない食品、物質、環境は恐らく、この地球上に存在
しないのではないか。だから、今回、EUに於いて、ワインに対してアレルギー
に配慮した対策が取られる事は非常に有益だと思う。
様々な食品、物質、環境に対し、アレルギーを持つ自分に照らし合わせ、
ワインにおけるアレルギー症状を誘発しそうなケースを改めて、このブログ
に書き綴ってみたいと思う。
摂取を避けなければならない場合、摂取する量を低減させれば良い場合
がある。それは個々の状況によるので、避けるか、低減させるかは各自で
判断して頂ければと思います。
今回、EUが大英断したのは、赤ワインを清澄する時に使用する卵白の成分
が残留しているワインにその旨の注意喚起をラベルに表示せよと言う事。
ワインは清澄しないとブドウ由来の成分や発酵の為の酵母などが残留して
いて濁りがあります。その濁りを取り除き、香味を洗練させる必要があります。
その清澄に赤ワインの場合、卵白を使用。溶いた卵白を赤ワインに流し込む
事で濁りを吸着させ、清澄させます。ですので、卵にアレルギーを持つ人は
卵白で清澄した赤ワインを避けるか、多量に飲まない事が必要になります。
時々、耳にするのですが、赤ワインを飲むと下痢をすると。アレルギー症状
には下痢も含まれます。この場合は卵アレルギーを疑った方が良いのかも
しれません。
余談ですが、卵黄はどうするのか?スイーツ好きならお馴染みのフランス
菓子、Canele/カヌレの原料になるのです。そう、カヌレは世界を代表する
赤ワインの産地、Bordeaux/ボルドーの銘菓なのです。
ここで、ワインとアレルギーを関連付け、これからの楽しいワインライフの
為のアドヴァイスをしたいと思います。
ナッツ類にアレルギーのある方
ワインを発酵、熟成する時に木樽を使用します。その木樽にナッツ類に
類似する成分を含むものがあります。それはアメリカ大陸に生育する樫
から作られたアメリカン・オーク樽です。
この樽を製造工程で使用したワインを避けるか、多量に飲まない事が必要
です。アメリカン・オーク樽を製造工程で使用する事の多い生産国は以下
の通りです。
アメリカ大陸の国々、オーストラリア、南アフリカ、スペイン
購入する際にアメリカン・オーク使用の有無を確認して下さい。
******************************************************
卵にアレルギーのある方
赤ワインはその含有成分により清澄に卵白を使用する場合が極めて高く
ロゼワインや白ワインの清澄には卵白を使用する事は滅多にありません。
もし、赤ワインを楽しむのなら、色調の濃い、フルボディーのワインを
避け、ライトボディーの赤ワインにするのがベターですが、アレルギー
とハッキリ判っているのなら、赤ワインではなく、ロゼワインや白ワイン
楽しむのがベストです。
購入する際に清澄の為の卵白使用の有無を確認して下さい。
******************************************************
ドライフルーツや加工食品を食べると身体に変調が出る方
これは品質保持の為の保存料、亜硫酸の刺激にアレルギーを起こして
いる可能性が極めて高いと思います。ワインにもその品質を保つ為、
使用量制限の下、ワインのタイプに応じて、適切な量が製造過程で使用
されています。本来は身体に無害の物質なのですが、アレルギー体質の
人には、程度の差はあるものの問題ありの物質です。
しかし、ワインのタイプによって使用される上限がありますし、その上限値
まで使用される事はあまりありません。亜硫酸にアレルギー反応が出て
しまう方は、使用量上限の高いワインを避け、ワイン・ライフを引き続き
お楽しみ頂きたいと思います。
ワインのタイプによる亜硫酸の使用量の上限は以下の様になります。
白ワイン・ロゼワイン
辛口<210mg
やや辛口<260mg
甘くなる程、上限が大きくなり、
極甘口<400mg
スパークリング・ワイン<185mg
赤ワイン
辛口<160mg
やや辛口<210mg
甘くなる程、上限が大きくなり、
極甘口<400mg
スパークリング・ワイン<185mg
亜硫酸の刺激に反応する方は、白ワインやロゼワインよりも赤ワイン
の方がベターですし、甘いワインは避けた方が良い事になります。
購入する際にワインのタイプを確認する事をお勧めします。
****************************************************
人生の三分の二以上をアレルギー体質で過ごして来ましたが、現在
の医学では、残念ながら、アレルギーを根絶させる事は不可能です。
自分にとっての危険物質を知り、それを避け、アレルギー症状を悪化
させない事が重要です。
自分の状況から考えられる3つのアレルギー対処法を記してみました。
1つだけの方、全て該当する方、様々でしょうが、自分の状態に
照らし合わせ、上手く対処し、これからも「ワインのある食卓」、
「ワインのある風景」を満喫して下さい。