2012年5月5日土曜日
イギリス産です。
ワイン消費国としてイギリスをイメージしても、ワイン生産国としてイギリス
をイメージする人は決して多くないと思います。しかし、刻々と変化する
自然環境の中、イギリスはワイン生産国として再び台頭して来ました。
事実、17世紀にはワイン造りの為のブドウ栽培は行われていましたし、
1950年代には今につながる商業ワイナリーも誕生しています。
イギリスのワイナリーはロンドンよりも南方のエリアに集中していて、そこ
はあのChampagne/シャンパーニュやBourgogne/ブルゴーニュなどの産地
と同じ白亜質の大地。ブドウ栽培にとっては申し分のない地なのです。
ただ、イギリスは雨が多かった。これがワイン用ブドウの生育を妨げて
いたのです。しかし、各地で話題になっている温暖化、自然環境の変化
はイギリス南部の降水量を減らし、その結果、晴天の日が増え、十分な
日射量を確保出来る様になりました。そうなれば、栽培に適した大地は
ある。栽培に適した環境になった。あとはワインを造るだけ。
1950年に始まった商いの為のワイン造りはますます本格化し、現在では
イギリスのワイナリーは約100、ウェールズにも約10のワイナリーがあり、
世界のワイン市場を驚かせるワインが多数生まれています。
特に伝統的製法からのスパークリングワインは、あのシャンパーニュと
同じステージでコンテストで審査されても決して劣らないレヴェルです。
今日から4回連続でイギリスワインを紹介しますが、まず最初は、ユーロ・
スターの停車駅、Ashford/アシュフォードから南西に約20kmにある画像の
ワイナリー、Chapel Down/チャペル・ダウンの白ワインを。
このワイナリーへは2009年4月に訪問し、ワイナリー見学、ブドウ畑見学、
全ワインのテイスティングをしましたので、とても思い入れのある造り手
です。
ブドウ造りに相応しい環境になったとは言え、向くのは冷涼気候品種。
メジャー品種ではChardonnay/シャルドネ、Pinot Noir/ピノ・ノワ。そして、
主にドイツ、ベルギー、北海道などで主要品種のBacchus/バッカスが
栽培され、良質なワインになっています。
このバッカス。環境に適応するように2品種を交配し、創られた品種。
フレッシュでピチピチした口当たりの白ワインになります。ブラインド
でテイスティングするとしばしばSauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブラン
に類似点があり、時にはそれと間違うほど。その爽快な酒質は淡白
な味わいの料理をポン酢で食したり、柑橘果実を一振りして食したり
する時に最良の友になります。
また、春の野菜や山菜の天ぷらを塩(抹茶塩OK)で食べる時にも
素晴らしいマリアージュを楽しめます。
ヨーロッパでもっとも注目されているワイン産地、イギリスのワインを
この機会に是非、楽しんで下さい。
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Chapel Down 2008 English Bacchus
チャペル・ダウン2008イングリッシュ・バッカス
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う淡白な
味わいの料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)チーズ。
飲み頃温度:6~8度。
<軽く、爽やかな辛口>
2,100円