2012年4月20日金曜日
美し過ぎる
ワイン生産者を訪問し、一緒にそのワイン達をテイスティングする機会が
多い。その時にワインのコメントをするのだが、結論にvery impressiveや
beautifulと表現すると、彼らの顔にそうだろと言う様な表情が浮かぶ。特に
beautifulと言う単語に対しては異常なレヴェルで喜びを表す。
画像のワインはドイツのラインガウ地方の赤ワイン。Pinot Noir/ピノ・ノワ、
ドイツではSpatburgunder/シュペートブルグンダーから出来ている。この
品種から出来上がるワインは繊細さ、奥深さ、上品さ、優美さを備えて
いる事が最高のスタイル。言い換えれば妖艶とも言える。画像のワイン
も当然の事ながらそれらの形容に相応しく、とても印象深いワインだ。
この赤ワインは森の中にひっそりとたたずむ、ラベルに見える建物で
造られ、熟成され、更なる美しさを身に付け、市場に登場する。
ワインはテロワール(ワインが出来上がるまでの背景)を反映すると
言われている。このワインが造られている所に直接、行った事がある
がワインの美しさそのままの美しさを目に出来る場所、建物、風景が
広がっていた。
酸味を基調に、ライトタッチでベリー果実のジューシーさに満ち、渋味は
強過ぎず、パーフェクトなまでの甘酸苦渋のマリアージュを飲み手に伝え
広げる酒質をしている。この美しさを崩さない為にも、一緒に楽しむ料理
は比較的淡い味わいで酸味を感じられるものがベスト。赤ワインだから
と言って、間違ってもステーキなどを合わせてはダメ。
春も深まりつつ、木々の芽吹きも進行中。もし、手に入るのなら、ブドウ
の若芽を天ぷらにし、天つゆで頂く時にこの赤ワインを合わせたい。
ブドウに酸味がある様にブドウ樹の若芽には不思議と酸味が心地良く
含まれている。
この画像がブドウ樹の若芽の天ぷら。食べた事がない方も多いかと思う
が、今の季節、ワイナリーでは芽欠き作業を行い、ワイナリースタッフは
その欠いた芽をしばしば天ぷらで楽しんでいる。これがなかなかいける。
今週末にでもワイナリー訪問をし、欠いた芽を入手してみては如何ですか?
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Kloster Eberbach 2010 Rheigau Spatburgunder (Q) Trocken
クロスター・エバーバッハ2010ラインガウ、シュペートブルグンダー・トロッケン
相性の良い料理:酸味の効いた軽い味付けの料理。
チーズなら・・・シェーヴル・タイプ(山羊乳)。
熟成の進んでいない白カビタイプ。
飲み頃温度:14~16度。
<まろやかなライトボディー>
3,150円